関係代名詞と関係副詞はどのように見分ければ良いのでしょうか。
入試問題にも必須の力です。
ここでは、その考え方を詳しく説明していきます。
関係代名詞と関係副詞の種類
関係代名詞と関係副詞を判断する上で
① 前を見て先行詞を確認し、
② 後ろを見て完全文か不完全文を判断することが大切です。
前を見る:先行詞が「人」/「物または動物」/場所/時/理由かを判断する
後を見る : 関係詞節の中で
→ 不完全文=関係代名詞
① 主語(S)が不足していれば = 主格(S)
② 目的語(O)が不足していれば = 目的格(O)
③ すぐ後ろに無冠詞の名詞があり、「(先行詞)~の」という所有の関係が成立すれば = 所有格
→ 完全文=関係副詞
※「完全」とはS(主語)もO(目的語)も欠けていない文
この関係代名詞と関係副詞の詳しい文の成り立ちや使い方は以下の記事を確認してください。
関係代名詞と関係副詞の見分け方
関係代名詞
空欄に入る正しい関係詞を選びなさい。
1)Tokyo is a city ( which / where ) we have long wanted to visit.
東京は、私たちながいこと訪れたいと思っていた都市だ。
“Tokyo is a city which we have long wanted to visit.”
例文1)で”a city”都市は場所だから = “where”を選んでしまう人が多い問題です。
例文では”we have long wanted to visit”で終わっていて、
動詞”visit”の後ろの名詞(目的語)が不足しています。
このように、不足した語句がある時は「不完全な文」と言います。
不完全な文の場合は関係代名詞を使わなければならないのです。
関係副詞
空欄に入る正しい関係詞を選びなさい。
2)Tokyo is a city ( which / where ) we met Tom.
東京は、私たちがトムに出会った都市だ。
“Tokyo is a city where we met Tom.”
例文2)は”a city”が先行詞です。
例文では”we met Tom”で終わっていて、特に不足している語句がありません。
このように、不足した語句がない時は「完全な文」と言います。
完全な文の場合は関係副詞を使わなければなりません。
完全文と不完全文の違いは?
● 関係詞節の文構造が不完全文=関係代名詞
※「不完全」とはS(主語)かO(目的語)が欠けた文
● 関係詞節の文構造が完全文=関係副詞
※「完全」とはS(主語)もO(目的語)も欠けていない文
完全文と不完全文の例
完全文と不完全文のよく出題される例を下に挙げます。
完全文のパターン
① This is the city (where) I live.
これは私が住んでいる街です。
→ liveは自動詞なので、目的語は不要
② That is the time (when) I am happy.
それは私が幸せな時です。
→ SVCの完全文
③ This is the reason (why) I have a pen.
これが私がペンを持っている理由です。
→ SVOの完全文
④This is the city (where) I was born.
これが私が生まれた街です。
→ 受動態の完全文・受動態にOは不要
不完全文のパターン
① I know the man (who) ( ) has the data.
私はそのデータを持っている人を知っています。
→ hasのS(主語)が不足
② I know the woman (who) I think ( ) was a doctor.
私は医者だったと思う女性を知っています。
→ wasのS(主語)が不足
このように、”I think”が間に入る文を連鎖関係代名詞と呼ばれます。
「S V V」のと動詞が連続した時は、注意しましょう。
③ He wanted the bag (that) I have ( ) .
彼は私が持っているバッグが欲しがっていた。
→ haveは他動詞で、haveの後ろのO(目的語)が不足
This is the city (which) I was born in ( ) .
これは私が生まれた街です。
→ inのO(目的語)が不足
practice
それでは、入試問題を使って実践していきましょう。
英文中の空所に入る適切な語または語句を選択肢から選びなさい。
(1) I don’t know the reason (①why ②when ③which ④how) she suddenly quit her job.
(2) I’ll never forget the day (①which on ②which ③when ④for which) I reached the top of Mt. Everest.
(3) This is the department store (①where ②what ③which ④whose) his grandfather founded fifty years ago. *found 創立した
(4) Vancouver is the city (①wherever ②on which ③which ④where) I wish to visit this summer vacation.
(6) John remembers the day (①which ②where ③what ④when) he left Japan.
(7) The hotel (①which ②where ③in that ④what) the conference was held is near the city hall.
(8) Picasso was a painter (①whose ②what ③which ④whom ) ideas were far ahead of their time.
(9) The time will soon come (①what ②which ③where ④when ) we can enjoy space travel.
(10) I met a girl on the street (①which ②whom ③where ④who ) used to live in my neighborhood.
まとめ
関係代名詞と関係副詞の使い分けについて学んできました。
まとめると
○ 関係代名詞と関係副詞の種類
○ 関係代名詞と関係副詞の見分け方
前を見る:先行詞が「人」、「物または動物」、「場所」、「時」、「理由」 かを判断する
後を見る : 関係詞節の中が
→ 不完全文=関係代名詞
① 主語(S)が不足していれば = 主格(S)
② 目的語(O)が不足していれば = 目的格(O)
③ すぐ後ろに無冠詞の名詞があり、「(先行詞)~の」という所有の関係が成立すれば = 所有格
→ 完全文=関係副詞
※「完全」とはS(主語)もO(目的語)も欠けていない文
○ 完全文と不完全文のパターン
上のポイントに示したように、
まずは関係代名詞と関係副詞の種類を覚えて
前を見て先行詞を確認し、後ろを見て関係詞節の中が完全か不完全か判断します。
完全文と不完全文のパターンをある程度のパターンを理解し、判断していきましょう。
このまとめは関正生先生の以上の書籍と自分の指導経験をもとにまとめました。
私が教員として指導を始めた時にかなり参考にした書籍です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。