分詞

分詞⑤ 【分詞構文とは】

坪田塾

分詞構文とは

分詞構文の成り立ちをまず確認していきましょう。

分詞構文の書き換えのステップ

① 接続詞を消す

② 主語を消す (主節の主語と同じ場合)

※主節の主語と異なる場合は残す

③ 動詞を分詞に変える

→ 普通の動詞の場合は現在分詞(-ing)

→ 受け身の場合は過去分詞(-ed)

実際に例文を用いて確認していきましょう。

例文

例文1) As he is a teacher, he has to get up early every morning.

訳:彼は教員なので、毎朝早く起きなければならない。

この例文を分詞構文に変えていきます。


書き換えのステップ

① 接続詞を消す

元の文) As he is a teacher, he has to get up early every morning.

分詞構文) As he is a teacher, he has to get up early every morning.

→ “As(接続詞)”「〜なので」を消します。

② 主語を消す (主節の主語と同じ場合)

※主節の主語と異なる場合は残す

元の文)) As he is a teacher, he has to get up early every morning(主節).

分詞構文) As he is a teacher, he has to get up early every morning(主節).

→ 元の文の下線部の”he”が、後ろの文(主節)の主語”he”と一緒なので消します。

③ 動詞を分詞に変える

→ 普通の動詞の場合は現在分詞(-ing)

→ 受け身の場合は過去分詞(-ed)

元の文) As he is a teacher, he has to get up early every morning(主節).

分詞構文) As he being a teacher, he has to get up early every morning(主節).

→ ”is”を分詞に換えて”being“に変えます。


完成した分詞構文

いかがでしたでしょうか。以下の2つの文は違うように見えますが、全く一緒の意味になります。

元の文) As he is a teacher, he has to get up early every morning.

分詞構文) Being a teacher, he has to get up early every morning.

分詞構文の書き換えは理解できたでしょうか。

他の例文でも書き換えをしてみましょう。

主語を残す分詞構文(独立分詞構文)

実際に例文を用いて確認していきましょう。

例文

例文2)As there was nobody at home, Jim decided to go out.

訳:誰も家にいなかったので、ジムは外出することにした。

この例文を分詞構文に変えていきます。


書き換えのステップ

① 接続詞を消す

元の文) As there was nobody at home, Jim decided to go out.

分詞構文) As there was nobody at home, Jim decided to go out.

→ “As(接続詞)”「〜なので」を消します。

② 主語を消す (主節の主語と同じ場合)

主節の主語と異なる場合は残す

元の文) As there was nobody at home, Jim decided to go out.(主節)

分詞構文) As there was nobody at home,Jim decided to go out.(主節)

→ ポイントの※の部分に注目

元の文の下線部の”there”は、後ろの文(主節)の主語”Jim”と異なるので残します

“there is(are) 構文”は、主節の文と異なるので消すことはできません

③ 動詞を分詞に変える

→ 普通の動詞の場合は現在分詞(-ing)

→ 受け身の場合は過去分詞(-ed)

元の文) As there was nobody at home, Jim decided to go out.(主節)

分詞構文) As there being nobody at home, Jim decided to go out.(主節)

→ ”was”を分詞に換えて”being“に変えます。


完成した分詞構文

ここでは主語を残すパターンを確認しました。

元の文) As there was nobody at home, Jim decided to go out.

分詞構文) There being nobody at home, Jim decided to go out.

参考書などでは「独立分詞構文」という名前がついていますが、文法の名前より、分詞構文のパターンとして覚えていきましょう。

分詞構文の否定形

分詞構文の否定文の作り方について確認していきましょう。

以下の文を分詞構文に書き換えて見てください。

例文3) As they didn’t know the way, they soon got lost.

訳:彼らは道を知らなかったので、すぐに道に迷いました。

分詞構文→

例文を用いて形を確認してみましょう。

分詞構文の否定形

例文3) As they didn’t know the way, they soon got lost.

分詞構文) Not knowing the way, they soon got lost.

書き換えのステップは今まで同じです。

しかし、③の動詞を分詞に変える時に注目!!

分詞構文の否定形 → “not – ing”

分詞構文の否定形は”not”を分詞の前に置いて”not – ing”で表します。


we didn’t have → not having

we are not tired → not being tired

分詞構文の完了形

分詞構文の完了形の作り方について確認していきましょう。

以下の文を分詞構文に書き換えて見てください。

例文4) As I had made a mistake before, I paid careful attention.

訳:以前に間違えたので、細心の注意を払いました。

分詞構文→

例文を用いて形を確認してみましょう。

分詞構文の完了形

例文4) As I had made a mistake before, I paid careful attention.

分詞構文) Having made a mistake before, I paid careful attention.

書き換えのステップは今まで同じです。

しかし、③の動詞を分詞に変える時に注目!!

分詞構文の完了形 “having + 過去分詞”

分詞構文の完了形はを”having + 過去分詞”で表します。

例: we have had → having had

そもそも分詞構文て、どんな時に使うの?

生徒

そもそも分詞構文なんて使う必要ありますか?

先生

良いな質問ですね。

実は私たち日本人も日常的に使っています。

例えば、キミは家に帰ってから何をするか日本語で言ってみ!

生徒

えーっと、

家に帰ったら

まずお風呂に入って

着替えてから

食事をして

携帯でゲームをして

あとはその日によりますかね。

先生

なるほど、いまキミは分詞構文の作りと似たようなことをしていたよ。

まずキミの説明には、主語も接続詞もはっきり言ってなかったでしょ?!

生徒

えっ?

どういうことですか?

先生

無意識だからわからんかっただろうけど

あなたは「家に帰ったら、まずお風呂に入って、着替えてから、食事をして、携帯でゲームをして」と言っていたね。

その言葉にまず主語がないのがわかるね。

生徒

確かにそうですね!!

先生

誰が話しているか話す必要がなく、同じ主語がくる場合は、省略しても通じるということです。

分詞構文でも、主語が同じ場合は省略して大丈夫ということだから、似てるね!

生徒

なるほど!!

確かに日常で当たり前のように使ってますね。

先生

さらにキミの言葉には接続詞もない。

「家に帰ったら、まずお風呂に入って、着替えてから、食事をして、携帯でゲームをして」

というあなたの文の中に、もし主語や接続詞を入れたら、おそらくこうなります。

私は家に帰ったら私はまずお風呂に入って、それから私は着替えて、その後私は食事をし、最後に私は携帯でゲームをします」

生徒

なるほど!!

会話でこんなこと言ったらちょっとくどいですね。

先生

そうですね。

でも、接続詞や主語をちゃんと使ったらこういう文章になります。

それを避けるために、接続詞や主語がわかっているときは、わざわざ言わないということです。

分詞構文でも同じようなことをしています。

生徒

納得できました。

なんか新しい文法で難しそうだったけど、

すごい便利な表現なんですね。

先生

そうですね。

納得したら、あとは例文と一緒に覚えましょう!

Practice (練習問題)

下線部を分詞構文にして、書き換えなさい。

(書き換えのステップをもう一度意識しながら、分詞構文にしてください。)

分詞構文の書き換えのステップ

① 接続詞を消す

② 主語を消す (主節の主語と同じ場合)

主節の主語と異なる場合は残す

③ 動詞を分詞に変える

  1. As I felt dizzy, I sat down on the bench.
  2. As Tom was poor, he couldn’t afford to buy her a ring.
  3. We felt Tokyo at 9 o’clock, and arrived at Osaka at noon.
  4. As I didn’t know what to say, I just sat there.
  5. Since his memo was written in a hurry, it was hard to read.
  6. As he has lost his parents, he has no one to depend on now.
  7. Because he hadn’t been there before, he soon got lost.
  8. When she found her lost ring, she jumped for joy.
  9. Because it was sunny, Mary decided to sit out on the grass.
  10. When the earth is seen from the moon, it must look like a ball.
  11. We stood chatting for one hour and we forgot to go shopping.
  12. As John was ill, Peter had to do two men’s work.
  13. As there was nobody at home, Jim decided to go out.
  14. After all the work was done, the men went home.
  15. As they didn’t know the way, they soon got lost.
  16. As I had made a mistake before, I paid careful attention.

答え

  1. Feeling dizzy, I sat down on the bench.
  2. Being poor, Tom couldn’t afford to buy her a ring.
  3. We felt Tokyo at 9 o’clock, arriving at Osaka at noon.
  4. Not knowing what to say, I just sat there.
  5. (Being) written in a hurry, his memo was hard to read.
    ※Beingは通常省略される
  6. Having lost his parents, he has no one to depend on now.
  7. Not having been there before, he soon got lost.
  8. Finding her lost ring, she jumped for joy.
  9. It being sunny, Mary decided to sit out on the grass.
  10. (Being) seen from the moon, the earth must look like a ball.
    ※Beingは通常省略される
  11. We stood chatting for one hour, forgetting to go shopping.
  12. John being ill, Peter had to do two men’s work.
  13. There being nobody at home, Jim decided to go out.
  14. All the work (being) done, the men went home.
  15. Not knowing the way, they soon got lost.
  16. Having made a mistake before, I paid careful attention.

まとめ

それでは分詞構文をまとめていきましょう。

分詞構文の作り方

① 接続詞を消す

② 主語を消す (主節の主語と同じ場合)

※主節の主語と異なる場合は残す

③ 動詞を分詞に変える

→ 普通の動詞の場合は現在分詞(-ing)

→ 受け身の場合は過去分詞(-ed)


分詞構文のバリエーション

独立分詞構文
※ 主節の主語と異なる場合
”S – ing”
分詞構文の否定形 “not – ing”
分詞構文の完了形“having 過去分詞”

今回は分詞構文の作り方と形のバリエーションについて説明しました。

ぜひ下の例文と一緒に、この活用を覚えてください。

例文1) Being a teacher, he has to get up early every morning.(分詞構文)

例文2)There being nobody at home, Jim decided to go out.(独立分詞構文)

例文3)Not knowing the way, they soon got lost.(分詞構文の否定形)

例文4)Having made a mistake before, I paid careful attention.(分詞構文の完了形)

今日もありがとうございました。

ABOUT ME
ゆん
現役英語教師をしながら英語に関する情報を書いています。今年で教員生活10年目になります。みなさんに役立つ情報をできる限り発信していきたいと思います。