英文解釈

英文解釈の基礎 -その4-【副詞のかたまり(副詞句/副詞節)】

坪田塾

副詞のかたまりってどこで使われるの?

副詞のかたまりとは、副詞句と副詞節のことです。副詞の働きは、名詞以外を説明(修飾)するという特徴を持っています。以下が副詞のかたまりは以下の条件で使われます。

               1. 英文中で主語(S)、目的語(O)、補語(C)の文の要素にならない。   

               2. 名詞以外を修飾する。

               3. 副詞のカタマリ移動できる。

では具体例を見ていきましょう。

  • ①の例文ではreally(副詞)がgood(形容詞)を修飾しています。形容詞のgoodは名詞しか修飾できないので、後ろのteacher(名詞)を修飾しています。
  • ②の例文では、Clearly(副詞)が文全体を修飾しています。
  • ③の例文では、well(副詞)がplays(動詞)を修飾しています。
  • ④の例文では、very(副詞)がwell(副詞)を修飾しています。またwell(副詞)がplay(動詞)を修飾しています。

このように副詞を名詞以外の品詞に、さらなる追加情報を加えるために使われます。5文系でいうと M  の場所で使われます。(下の表を確認)

このMにくる副詞のかたまりは、どのように(how)、どこ(where)、いつ(when)、なぜ( why)などの、追加情報を補う表現がきます。また移動できることが多いです。

どんな種類があるの?

以下の7種類があります。

副詞句

(1) 前置詞句 (前置詞+名詞)

(2) 時を表す副詞句 (next month/ last summer/ these daysなど)

(3) 不定詞句 (to do…)   …するために/して/するなんて/(結果)…となる

(4) 分詞構文となる分詞句 (doing…) …している / (done…) …される/した

副詞節 (接続詞の役割)

(5) 接続詞          (接続詞 S V…)

(6) 複合関係代名詞 (whoever/whatever/whichever S V…)

(7) 複合関係副詞   (whenever/wherever/however/however形容詞(副詞) S V…)

それでは例文を用いながら、実際に上の8種類がどのように、どこで使われるかを見ていきましょう。副詞のかたまりを (    ) を使って示していきます。また修飾する語(句)には青いマーカーを引いてあります。

(1)前置詞句 (前置詞+名詞)

I went (to his house) (by train).           

S  V    (どこ)   (どのように)

 [私は彼の家に(電車で)行きました]

例文ではto his houseとby trainが副詞のかたまりで、went(動詞)修飾しています。

(2)時を表す副詞句 (next month/ last summer/ these daysなど)

He talked (to her) (here) (this morning).  

S    V   (誰に)  (どこ)   (いつ)

[彼は(今朝)ここで彼女と話しました]

例文ではthis morningが副詞のかたまりで、talked(動詞)修飾しています。

(3)不定詞句 (to do…)   …するために/して/するなんて/(結果)…となる

1. I worked (hard) (to support my family). 

  S    V   (どのように)       (なぜ)

[(私は家族を養うために)一生懸命働きました]

2. I was glad (to see you).                        

  S  V  C    (なぜ)  

[(あなたに会えて)私はうれしかったです]

3. Tom must be a fool (to say so).          

   S      V      C    (なぜ)

[トムは(そんなこと言うなんて)ばかに違いない]

4. She grew up (to be a doctor).             

    S     V     (どのように) 

[彼女は成長して(医者になった)]

5.(To hear him speak English), you would take him (for an American).

      (どのような条件で)      S        V      O    (~として)

[(彼が英語を話すのを聞くと)、彼をアメリカ人として受け入れるだろう(勘違いするだろう)]

take for 〜:人を〜だと勘違いする

6.This river is dangerous (to swim in).    

   S         V      C    (~するには) 

[この川は(泳ぐには)危険です]

例文1ではto support my familyが副詞のかたまりで、worked(動詞)を修飾しています。

例文2ではto see youが副詞のかたまりで、I was glad()を修飾し、嬉しかった理由(なぜ)を説明しています。

例文3ではto say soが副詞のかたまりで、Tom must be a fool()を修飾し、トムがなぜバカなのかという理由(なぜ)を説明しています。

例文4ではto be a doctorが副詞のかたまりで、She grew up ()を修飾し、彼女が成長してどのようになったかを説明しています。

例文5ではTo hear him speak Englishが副詞のかたまりで、you would take him for an American ()を修飾し、どのような条件で、あなたが勘違いするかを説明しています。

※仮定法のwouldが使われていることから、推測して“〜としたら”という条件の意味で訳す。

例文6ではto swim inが副詞のかたまりで、dangerous (形容詞)を修飾し、何するのが危険かを説明しています。

不定詞の副詞的用法は、様々な使い方がありますが、例文4(結果用法)、例文5(仮定法)、例文6(形容詞の限定)は、ある程度使われ方が決まっているので、例文と一緒に覚えてしまう方が良いです。

(4)分詞構文となる分詞句 (doing…) …して / (done…) …されて

分詞構文は使われる場所で、意味が変わるので、英文を読むときにもどこで使われているかを意識する必要があります。形は現在分詞(doing)/過去分詞(done)で使われます。

では、例文を見て行きましょう。

文頭 (分詞 ) ,  S V….  

1 (Being poor), he couldn’t buy books.   (なぜ)

                 S        V     O

  (彼は貧しかったので、本を買うことができなかった)

文中 S , (分詞~) , V….  

2 The children, (seeing the owner of the orchard), ran off.  (いつ/なぜ)

  S                                            V

[子供たちは、(果樹園主を見ると)、逃げ出した]

文末 S V… , (分詞~) .  

  3 The typhoon hit Tokyo, (causing serious damage).   (そして〜する)

        S         V   O

[台風は東京に上陸し、(そして甚大な被害をもたらした)]

   4 She walked (in the park), (singing merrily).  (〜しながら)

     S    V  

   [彼女は (楽しそうに歌いながら) 公園を歩いた]

例文1ではBeing poorが副詞のかたまりで、couldn’t buy (動詞)を修飾し、なぜ変えなかったのかを説明しています。

例文2ではseeing the owner of the orchardが副詞のかたまりで、ran off (動詞)を修飾し、なぜ/いつ逃げ出したのかを説明しています。分詞構文は、意味が曖昧なときも多々あります。

例文3ではcausing serious damageが副詞のかたまりで、 The typhoon hit Tokyo ()を修飾し、台風が東京を襲い、どのようになったかを説明しています。

例文4ではsinging merrilyが副詞のかたまりで、 walked(動詞)を修飾し、どのように歩いていたのかを説明しています。

分詞構文はコンマに着目すると判断しやすいです。

また、分詞構文が文末で使われると、「そして〜する(連続)、〜しながら(付帯状況)」の意味で使われます。文頭や文中で使われると、「〜なので(理由)、〜するとき(時)」使われることが多いです。

分詞構文の意味

(a)「時」~するとき(=when

(b)「理由」~なので(=as , since

(c)「付帯状況/連続」~しながら/そして~する(=while ,and

(d)「条件」~すれば(=if

(e)「譲歩」~ではあるが(=though)

※分詞構文の訳は曖昧なので、訳は曖昧で「〜して」と訳せば良いです。 ただし、文末だけは上で述べたように「そして〜(連続)/〜しながら(付帯状況)」と理解する。

分詞構文の応用

分詞構文には、以下の例文のように、beingが消えてしまう場合や、接続詞が残る場合もあります。

  • Beingが省略され、形容詞しか残らない場合

(Unable to speak English), he couldn’t buy the book <he wanted>.       

  形                    S       V         O 

元の形→ (Being) unable to speak English, he couldn’t buy the book <he wanted>.

  [英語が話せなかったので、欲しい本を買うことができなかった]

  • 接続詞が残る場合

  Cold chicken is delicious, (when eaten with salad).    (いつ)

       S        V   C        接   分詞

[冷めた鶏肉は、サラダと食べるとおいしい]

例文5ではUnable to speak Englishが副詞のかたまりで、couldn’t buy (動詞)を修飾し、なぜ変えなかったのかを説明しています。

この文はBeing unable to speak Englishという文のBeingが省略された形です。知っておけば、このような文が出てきても焦らないと思うので、確認しておきましょう。

例文6ではwhen eaten with saladが副詞のかたまりで、Cold chicken is delicious ()を修飾し、どんなときに鶏肉が美味しいかを説明しています。

文をわかりやすくするために、接続詞を残す場合もあるので知っておきましょう。

(5)接続詞  (接続詞 S V…)

(As I was coming home), I met Tom.

                      S  V  O

   = I met Tom (as I was coming home).

       S  V   O

[(家に帰っている時)、私はトムに会った]

例文ではAs I was coming homeが副詞のかたまりで、met (動詞)を修飾し、いつ会ったのかを説明しています。接続詞はすべて、副詞のかたまりになります。

(6)複合関係代名詞  (whoever/whatever/whichever S V…)

1.(Whoever comes now), I won’t talk .

                         S     V   

[(誰が今来ようとも)、私は話さないでしょう]

2.(Whatever you say), I’ll marry her.

                      S    V      O

[(あなたが何を言おうとも)、私は彼女と結婚します。]

3.(Whichever you choose), you will be satisfied.

                         S      V(受け身)

[(どちらを選んでも)、あなたは満足するでしょう。]

例文1ではWhoever comes nowが副詞のかたまりで、won’t talk (動詞)を修飾し、どんな条件で、話さないのかを説明しています。

例文2ではWhatever you sayが副詞のかたまりで、marry(動詞)を修飾し、どんな条件で結婚するかを説明しています。

例文3ではWhichever you chooseが副詞のかたまりで、will be satisfied(動詞)を修飾し、どんな条件で満足するかを説明しています。

(7)複合関係副詞  ⇒ (whenever/wherever/however/however+形容詞(副詞) S V…)

1. (Whenever I visit him), he is not (at home).

          (いつ)             S  V       (どこ)

 [(いつ彼を訪問しても)、彼は家にいない。]

2. (Wherever you go), don’t forget me.

                         V       O

 [(どこに行こうとも)、あなたは満足するでしょう。]

3.(However we go), we must get (there) (by seven).

                  S       V                                          

 [(どんな風に行こうとも)、私たちは7時までにそこに到着しなければならない。]

4.(However busy he is), he takes a walk (every morning).

                          S   V      O

 [(どんなに忙しくても)、彼は毎日散歩する。]

例文1ではWhenever I visit himが副詞のかたまりで、he is not (at home)()を修飾し、いつ彼がいないのかを説明しています。

例文2ではWherever you goが副詞のかたまりで、don’t forget me ()を修飾し、どんな条件で忘れて欲しくないのかを説明しています。

例文3ではHowever we goが副詞のかたまりで、we must get there()を修飾し、どんな条件で到着しなくてはならにかを説明しています。

例文4ではHowever busy he isが副詞のかたまりで、 he takes a walk ()を修飾し、どんな条件で散歩するかを説明しています。

疑問詞+everの意味

復習

ここからは、上の例文を自分の力で文型を振り、訳してください。自分のノートに英文を書いて訳すことをお勧めします。形容詞のかたまりは< >で囲んでください。

  1. I went to his house by train.          
  2. He talked to her here this morning.  
  3. I worked hard to support my family. 
  4. I was glad to see you.                   
  5. Tom must be a fool to say so.
  6. She grew up to be a doctor.             
  7. To hear him speak English, you would take him for an American.
  8. This river is dangerous to swim in.    
  9. Being poor, he couldn’t buy books.
  10. The children, seeing the owner of the orchard, ran off.
  11. The typhoon hit Tokyo, causing serious damage.
  12. She walked in the park, singing merrily.
  13. Unable to speak English), he couldn’t buy the book he wanted.
  14. Cold chicken is delicious, when eaten with salad.
  15. As I was coming home, I met Tom.
  16. Whoever comes now, I won’t talk .
  17. Whatever you say, I’ll marry her.
  18. Whichever you choose, you will be satisfied.
  19. Whenever I visit him, he is not at home.
  20. Wherever you go, don’t forget me.
  21. However we go, we must get there by seven.
  22. However busy he is, he takes a walk every morning.

最後に

長文を読むときに、副詞のかたまりに気づけるようになると、少しずつ正しい読み方ができるようになると思います。

いきなり全部に気づく必要はありません。長文を読む中で、少しずつ意識していくうちに、英文がかたまりで理解できるようになり、後ろから訳さなくても理解できるようになります。また市販の参考書で副詞、副詞節という言葉が出てきたときは、この記事に戻って確認してください。理解の一助になるはずです。

 この記事が少しでも皆さんの役に立てばありがたいです。正しい英語力を身につけ、自分の夢の実現に近づきましょう!!今日もありがとうございました。

ABOUT ME
ゆん
現役英語教師をしながら英語に関する情報を書いています。今年で教員生活10年目になります。みなさんに役立つ情報をできる限り発信していきたいと思います。