英文解釈

【英文解釈はいつから?】そもそも英文解釈はいらない?

坪田塾

→ そもそも英文解釈とは?

→ やる必要があるの?

→ 英文解釈の参考書に取り組むべきタイミングはいつから?

→ どんな風に進めれば良いの?

こんな疑問を持つ人も多いと思います。そんな疑問を持つ人に少しでも助けになればと思い、自分の経験も踏まえて説明していきたいと思います。

おすすめの英文解釈の参考書が気になる方は以下の記事を参考にしてください。

【英文解釈 おすすめ参考書6選】

そもそも英文解釈とは?

まず問題です。

①次の英文の主語と動詞を指摘してください。

②次の英文を和訳してください。

In the example I am talking of the person continues to behave in what most people agree is a normal manner. (東京大学)

解説はpasslaboさんのyoutubeで詳しく解説してくれていますので、確認してください。↓

簡単にいうと英文解釈は「精読」のことで、英文を正確に理解する作業です。上の英文の構造を理解し、適切に訳すことができれば、英文解釈の力があると考えていいです。文法と何が違うねん!?というツッコミもあると思いますが、下の図のようなイメージで考えてください。

 

  1. 土台となる単語
  2. 単語を使うためのルールとしての文法や構文
  3. いろんな文法や単語が入り混ざった1文を正しく読むための英文解釈
  4. 英文解釈の力を使い、複数のまとまった文を読む長文読解

 

一概には言えませんが、英語を読めるようになるということは、上のピラミッドのような段階で成り立っています。英文解釈は、多くの人にとって長文を読むために必要なステップです。もちろん、そんな複雑な文章を読む必要がないのであれば、やる必要はないかもしれません。それでも自分の必要なレベルにあった英文解釈の参考書をやると、学んだ文法の振り返りにもなり、英文を正しく読めるようになります。

単元ごとにやった文法がちゃんと使いこなせるのか、覚えた単語を理解しながら正しく読めているのかを確認するための教材にもなります。

ちなみに以下の条件に当てはまるなら、英文解釈のステップを飛ばしても良いと思います。

1) 英文法を完全に理解し、圧倒的な量の長文を読んでいる人

2) 大した英語力が必要のない人

 

1)の条件に当てはまる人は、帰国子女やネイティブか、よほど英語が好きで時間がある人じゃないと厳しいかもしれません。
2)の条件に当てはまる人は、そもそも英語を勉強する必要がなく、この記事も読んではないと可能性が高いです。

英文解釈の力というのは英文を「なんとなく読み」から「正しく読む」ための近道だと考えてください。

そもそも英文解釈ってやる必要あるの?

結論から言うと、あなたが帰国子女やネイティブではなく、難関大学やある程度難しい英文に触れる機会があるのであれば、確実に必要になります。英文を正しく読むためには、圧倒的な量を読まなくてはいけません。

そのため、以下のような人は英文解釈の参考書をやって損はないと思います。

1. 旧帝大、早慶上理、GMARCH、関関同立などの難関大を目指している人

→このくらいの大学を目指すのであれば、難易度の高い英文をある程度読めないと、歯が立ちません。

2. 長文が読める時もあるけど、読めない時もある人

→読めたつもりで、流し読みをしている可能性があります。
つまり、一文一文を丁寧に読む力が足りない可能性があります。
私も同じ状態でした。

3. 英語長文をが読めるようになりたいけど、時間がない人

→圧倒的な量の長文を読まなければ、読むために必要な表現や構文を覚えることができません。これをやるには時間がかかるので、重要な表現や構文をまとめてくれている英文解釈の参考書が、大きな助け船になります。

4. 英語の偏差値が60くらい

→偏差値を70に上げるのに大切なのは、
①正しく読める力=英文解釈の力と
②速く読む力=速読の練習です。

特に①の力を伸ばすために、英文解釈の参考書は必須となります。

 

 私は教員として生徒に英語を教えるようになるまで、英文解釈を軽視していました。私自身が大学の時に1年間留学をし、それなりの英語力はあると勘違いしていました。”なんとなく読めるからいいや”という感覚でやっていたのですが、大学の入試問題や、英検1級を受ける中で、いつも凡ミスをしていました。その原因を、”語彙力不足”や”自分の不注意”(本当によく忘れ物をします。)が原因だと思い込んでいたのですが、生徒に英文を解説しようとした時に、実は”ちゃんと”英文を理解できていないことに気づきました。

恥ずかしいですが、私自身が”なんとなく読めればいいやぁ”と考えていました。
正直、留学中に日常会話をする程度であれば、ほとんど困りませんでした。
しかし、授業中の先生の話や海外のニュースを聞き取るとき、また授業で課された洋書を読むときに、英語の理解にかなり苦しんだことを覚えています。

この原因が、語彙力だけでなく、英文をちゃんと読めていないことだと気づいたのは、人に教える時だったということです。

入試問題や英検を解くときに、”ちゃんと”英文を理解できていないと、選択肢や本文の内容を正しく理解できていないので、問題を間違えることがあります。

多くの人は、これを”凡ミス”で片付けるのですが、実はこの”認識のズレ”が、英語力が伸びない原因になることがあります。

私も生徒に教えるという実体験を通して、自分の英語の理解が曖昧だったことが露呈されてしまいました。

ある程度は英語はできるのに、伸び切らないという人は、語彙力とともに、英文解釈でつまずいている人が多いです。(単に語彙力が足りない人も多くいます。)

偏差値でいうと60~65くらいで伸びない生徒は、”ちゃんと”英文を理解できていない可能性があります。そんな時に英文解釈の参考書が値千金になります。

英文解釈の参考書に取り組むべきタイミングはいつから?

結論から言うと、それぞれの学校や自分のレベルに応じて、タイミングは変えるべきなので、一概には言えませんが、目安として大事になるのは以下のポイントです。

◯ 文法を一通り終え、7割くらいの理解ができた時

◯ できれば単語帳を2周している状態

文法書はなんでも大丈夫ですが、学校で文法を終えて、ある程度理解できたときに英文解釈の参考書を買うのが良いと思います。
単語もある程度は理解していないと、無駄な時間を費やしてしまいます。

文法書は学校の教科書を終えた後に、「Vintage」「NEXT STAGE」「POWER STAGE」「総合英語EMPOWER」などで確認し、7割くらい理解し、残りの3割を復習していく状態になったら、ぜひ英文解釈の参考書を手にとってみましょう。
この基準はどんな人にも当てはまると思います。

高校生が英文解釈の参考書を始めるべきタイミングは以下のようになります↓

高校生の始めるタイミング
  • 超難関国公立を目指すのであれば、高校2年の夏休みかその前
  • 超難関私立を目指すのであれば、高校3年生から
  • GMARCH、関関同立を目指すのであれば、高3の夏休み前で終わらせる

あくまで目安です。

あとは自分の実力を理解し、自分のペースに合わせて決めてください。

最低でも上記の時期に始めないと、手遅れになる可能性があります。

一番怖いのがこの手遅れになることです。

早くやっておいて損はありません。

自分の実力がどの程度で、次に何を勉強すべきかは、早めに計画してください。
また教科バランスもとても大切です。
私が指導してきた生徒の中に、英文解釈の参考書をやり、成績を英語の成績を伸ばしてきたのに、数学が間に合わずに第一志望に受からなかった生徒もいます。
本当に悔しい思いをしましたが、バランスとタイミングの重要性を改めて学びました。
やはり、個々の現状を理解しながら進めていくことが大切です。

もし英語の学習計画で不安があれば、LINEからご相談いただければと思います。

↓公式ラインはこちら
URL→ https://lin.ee/8ErVUkK

どうやって進めれば良いの?

「英文解釈の技術70」を例として紹介します。この本には基本問題と演習問題がついていますので、うまく演習問題を活用して進めていきます。

▶️1日目:基本問題を自分の力でノートに訳してみる。参考書のコピーをとり(またはノートに書き込む)、英文に文型をや意味を書き込む。UNITは2つずつ進める。

▶️2日目:前日やった問題が何もヒントが書いていない状態で訳せるか確認し、演習問題をやってみる。

▶️3日目以降:上と同じように繰り返す。

▶️7日目:今までの問題を見ないで訳せるかを確認。5回〜10回音読をして終了。

一週間を一つの区切りとしてやってみるのはいかがでしょうか。私自身、記憶力が良くないので、前日にやったことを確認しないとすぐ忘れてしまうので、上のような表のイメージでやっています。時間がある場合は、1日にやるユニットを増やしてもいいと思います。

一番大切なポイントは復習の機会を学習計画に絶対に入れることです。

そして、一度終えた参考書は、眺めるだけでも良いので2周から3周はしてください。

これを面倒臭がると、中途半端な英語力になってしましますので、復習をとにかく意識して学習してください。

まとめ 

英文解釈の必要性が少しでも伝わったでしょうか。私が思うに、英文解釈の参考書を勉強する一番の目的は、考える力を身につけることだと思います。

参考書を一つやると、生徒の質問が多くなるんです。

おそらく生徒は「分からないとこが分からない」状態から「分からないとこが分かる」状態になって、考えるようになるのが一番大切です。

最後に私の経験を少し話させてください。

私が指導した生徒で、小学校までインターナショナルスクールに通い、英語力的には問題のない生徒がいました。英語の偏差値は70近くありました。しかし、高校2年の途中から周りの生徒に少しずつ抜かされ、本人もなぜ英語ができないのか少し悩む時期がありました。共通テスト模試でリスニングはほぼ100点、リーディングも90点近くで、問題なさそうでしたが、英検の準1級はずっと受からず、模試も70弱からまったく上がりませんでした。私はその生徒に、一文一文ちゃんと理解できてないのではないかと考え、「英文熟考(旺文社)」をオススメしました。するとその参考書の英文が全然わからず、今まで”なんとなく読み”していることが露わになりました。そこから、その生徒はわからない部分は毎回私に質問にきて、確認しながら英文を精読する習慣ができました。その3ヶ月後の英検準1級に合格し、その時の彼女の言葉は”初めて英語を勉強しました”という言葉でした(笑)。彼女の英語は語彙力だけ少し伸ばしたが、ある意味小学校で止まっていたのかもしれません。英語の基礎を理解している人ほど、英文をちゃんと理解することが、その先の英語力を爆発的に伸ばすのだと実感しました。

おすすめの英文解釈の参考書は以下の記事で紹介しています。

【2023年最新】英文解釈おすすめ参考書6選|基礎から最難関まで自分の目指す大学レベルの参考書を見つける ここでは英文解釈におすすめの参考書を紹介していきます。 土台となる英単語や英文法をある程度固めたら、“英文解釈”が重要となってき...

最後までお読みいただきありがとうございました。

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ゆん
現役英語教師をしながら英語に関する情報を書いています。今年で教員生活10年目になります。みなさんに役立つ情報をできる限り発信していきたいと思います。