留学

留学行く前にどんな勉強すればよい?ー 【読む力】

坪田塾

留学に行く前はいろんな不安がありますよね。留学に行く前に最低限準備しておくことを、私の経験も踏まえて書きたいと思います。少しでも不安が解消されれば嬉しいです。。

英語力はどのくらい必要ですか?

これは、留学先の大学のレベルや、学部生として現地で授業を受けるのか、現地の英語を学ぶプログラムで学ぶのかによっても異なります。実際に現地の人と一緒に授業するのであれば、それなりの英語力がないと授業にすらついていけなくて苦しくなります。現地の英語学校や英語を学ぶプログラムに入るのであれば、現地の先生もあなたが英語を学ぶために来ていることがわかっているので、それなりに配慮して授業を進めてくれるはずです。

一番大切なことは、自分がどのレベルで、どんな技術を身に付けたいかを予め考えておくことだと思います。言語には主に4 skills(Reading/Writing/Listening/Speaking)があるので、どのスキルを主に伸ばしたいかを考えておくことは大切です。それではそれぞれの技能を伸ばすために、”事前にやっておけばよかった”と思うことを書いていきたいと思います。この記事ではReadingについて書いていきます。

Readingを伸ばすには?


この能力は、現地で授業を受けるうえで絶対に必要な技能です。わたしはこの技能が足りなくて、現地でかなり苦労しました。私が苦労した原因は①圧倒的な語彙力不足、②英文を正確に読み取る力の不足、③長い文を自分の言葉でまとめる力の不足です。

① 圧倒的な語彙力不足

 これは、留学する前から何となくはわかっていたのですが、留学に行く前にほとんど準備しませんでした。それが故に、現地で授業の課題を読むたびに、調べる単語が多く、夜遅くまで課題と向き合うことになりました。英検2級と準1級レベルの英単語を完璧に理解しておけば十分だと思います。現地で覚えればいいと考えていましたが、実際に行ってみるとかなり余裕がなくなります。さらに、課題の終わらないせいで現地の人との交流の機会も奪われるので、最低限の語彙は留学前に確認しておくことをおすすめします。

② 英文を正確に読み取る力

  これも、現地でなんとか身につくと思ったら大間違いでした。例えば、ある授業でオバマ大統領の演説を読む機会がありました。以下がその演説の一部です。

 But we have always understood that when times change, so must we; that fidelity to our founding principles requires new responses to new challenges; that preserving our individual freedoms ultimately requires collective action.

For the American people can no more meet the demands of today’s world by acting alone than American soldiers could have met the forces of fascism or communism with muskets and militias.

この英文を理解するために必要な要素を並べていきます。

1 So 助動詞 S :「Sも同様に」という同意表現の理解

2  understand that S V のthat節がセミコロンで繋がれていること

3  For は接続詞で「というのも~だから」という意味。ちなみに、ピリオドで区切っても使うことができる珍しい接続詞。

4  A no more~than B~: 「Bが~ないのと同様にAも~ない」という構文

これらの要素を知らないと、単純に単語を調べただけだと理解できません。特に大学で留学をするのであれば、高校入試で使った文法書と英文解釈の参考書をやっておくことをおすすめします。

③長い文を自分の言葉でまとめる力

 これはもしかしたら国語力に近いです。実際に留学すると授業の中で意見をいう機会が多くあります。これは留学に行く一つの醍醐味ですが、日本人はこの意見をいうのが苦手です。わたしも、最初は躊躇していうことができませんでした。その原因は簡単で、自分の考えをまとめる力がなかったのです。日本の学校では意見を自由に交わす環境も少ないので、単純に経験不足だったと思います。この力をつけるために日ごろから、自分が読んだ長文を「つまり何が言いたかったかというと~」というふうに自分の中で、要約する癖を付けましょう。

 例えば、上のオバマ元大統領の演説の一部を簡単にまとめると

⇒As time changes, the American people must respond to the changes not by acting alone, but with collective action.

(時代の変化に伴い、国民は一人ではなく、みんなで力を合わせて変化に対応していかなければならない。)

  これが大まかにいうと彼が一番伝えたいメッセージだと思います。

このように他人に意見を伝えるときは、“つまり~”とまとめる癖をつけることが大切です。これは、日ごろから意識していないと身につくものではないので、留学してからでは手遅れとなり、素晴らしい留学の機会を台無しにするかのうせいがあります。この考えをまとめるという力は、社会に出てからも使える力なので、今のうちにこの癖をつけておくことが大切だと思います。

まとめ

まとめると以下が留学に行く前に準備しておく「読む力」です。

  1. 最低限の語彙力
  2. 英文を正確に読み取る
  3. 自分の言葉でまとめる力

具体的にどうやって準備するか説明します。

①最低限の語彙力

語彙力に関しては、大学入試で使う英単語でも十分だと思います。「ターゲット1900」や「パス単(英検準1級か2級)」あたりをやっておけば問題ないです。できれば準1級レベルまでいけるといいですが、無理しなくても大丈夫です。必ず一冊の単語帳に絞ってやりましょう。現地の会話表現とか、独特な言いまわしは現地に行ってからしか身につかないので、あまり不安に思わず、今まで放置しておいた単語帳をもう一度取り出し、取り組んでみてください。これが気持ち的な準備にもつながると思います。

②英文を正確に読み取る

基本的には大学入試で取り組んだ文法書や英文解釈の本を繰り返せばよいと思います。文法の問題演習で言えば、「Next Stage」や「Vintage」などに取り組んでください。個人的には、この演習用の問題にプラスして「Evergreen」や「Vision Quest」などの参考書を一緒に持つことをおすすめします。その理由は単純で、演習用の参考書は解説が分かりづらいことがあるのと、例文が少ないという点です。ここを補うのが参考書の解説だと思います。

③自分の言葉でまとめる力

 この力が個人的には一番大切だと思っています。日ごろから、長文を読んだ時に「つまり言いたいことは~です」とノートに端にでも書いてください。習慣的に考える力が大切です。ちなみに、題材は日本語であろうと英語であろうと関係ありません。大事なことは、誰かの考えを自分なりにまとめること。これを繰り返していくうちに、自分の伝えたい考えもまとめる癖がつき、意見を言えるようになると思います。また、「EnglishCentral」や「NHK WORLD」などのアプリをダウンロードして、最近のトレンドをチェックして、記事の内容をまとめたり、自分の意見をノートに書くことも有効です。

 以上が、私が1年間の留学を終えた後に、ちゃんとやっておけばよかったと思う点です。当時の私は何事も経験だと、ある意味ポジティブに考えていました。しかし、現地で思った以上に自分の英語力と思考力の低さに、落胆しました。後悔先に立たずということで、現地ではなんとか頑張りましたが、ちゃんと準備しておけばもっと学びが多かったと思います。

 留学行くまえに、当時お世話になっていたゼミの先生から、留学は準備した時間が、現地で吸収できるものに比例すると言われていました。しかし、その言葉に耳を向けずに、当時は大好きだったとバンドのライブや、1年間会えなくなる友達や彼女と遊ぶことで大忙しで、留学が決まってからの3カ月間は、ほとんど英語に触れませんでした。この後悔をぜひみなさんにはしてほしくないです(笑)。

 おかげで、現地では課題に多くの時間かけてしまい、最初の4カ月は大忙しでした。さらにディベートの授業の時に、現地の先生から司会を命じられたのですが、私は自分の考えを述べることも、相手に話を振ることもできなかったので、司会の座は自然とベネズエラの学生にとられて、私は何もできませんでした(笑)。

 ぜひ留学を考えているなら、事前に最低限の準備をしてくださいね。今日もありがとうございました。

ABOUT ME
ゆん
現役英語教師をしながら英語に関する情報を書いています。今年で教員生活10年目になります。みなさんに役立つ情報をできる限り発信していきたいと思います。