仮定法

仮定法① 【仮定法過去・仮定法過去完了】

坪田塾

仮定法って何?

仮定法とは・・・・

①「現実には起こりえない妄想です」という話し手の気持ちを表す。

② その気持ちを表す目印として、時制を1つ過去にズラします


例えば、二つの日本文のうち、仮定法はどちらだと思いますか?

1 明日晴れたら、買い物に行くつもりだよ。

2 今日晴れだったら、買い物に行くのにぃ。

正解は例文2が仮定法です。

例文1では、明日晴れになるかはわからないけど、晴れになる確率はありますよね。

例文2では、いま雨が降っていて、すでに買い物に行かないことを決めているという裏の意味があります。つまり「現実には起こりえない妄想です」という話し手の気持ちが入っています。

これを英文にします。

1 (明日晴れたら) 買い物に行くつもりだよ。

⇒(If the weather is fine tomorrow)、 we will go shopping.

2 (今日晴れだったら)、買い物に行くのにぃ。

⇒  ( If the weather were(was) fine today ), we would go shopping.

動詞の形に注目してください。

例文1では、ifの中がis、主節ではwill goが使われています。

例文2では、ifの中がwere(was)、主節でwould goが使われています。現実には起こりえないことを表すために、時制を一つずらして過去形にしています。これが仮定法の合図です。

それでは、仮定法の形や意味を確認して行きましょう。

① 現在の仮定(いま~だったら、…なのに)

例文1 (If I had 100 million yen right now), I would buy a big house for my parents.

          (If 節)                 主節

       [もし1億円を今もっていたら、家族に大きな家を買うだろうに。]

動詞の形に注目してください。

形 : If節の中では”had”(過去形)が使われています。主節の中では、”would”(助動詞の過去形)が使われています。

意味:「いま~だったら、…なのに」   

過去形が使われていますが、いま(現在)のことを仮定しています。

図のように、現在のことを表していますが、過去形を使っていますね。
時制を1つ過去にズラすことによって、「現実とはかけ離れた妄想」ということをわかりやすく示しています。
時制をズラす理由には、現在から離れたという意味の過去形と、
現実から離れたという意味の妄想を表すと覚えておくと忘れないです。

② 過去の仮定 (あのとき~だったら、…だったのに)

まずは仮定法の形を確認します。下の図を見てください。

  例文2. (If I had told him the truth back then), he would have forgiven me.

    [もしあの時彼に真実を告げていたら、彼は私を許したでしょう]

動詞の形に注目してください。

形;If節の中では”had told”(過去完了形)が使われています。主節の中では、”would”(助動詞の過去形+have過去分詞)が使われています。

意味;「あのとき~だったら、…だったのに」   

過去完了形が使われていますが、過去のことを仮定しています。

図のように、過去のことを表していますが、過去完了形が使われています。
時制を1つ過去にズラすことによって、「現実とはかけ離れた妄想」であることをわかりやすく示しています。
過去完了形は、時制では大過去を表しますが、仮定法では過去の時点での妄想を表します。

練習問題①:(   )内の動詞を適切な形に変えてみましょう。

では練習問題を解いて見てください。

1. If I had enough time, I ( talk ) with you.

もし十分な時間があったら、私はあなたと話すことができたのに。

2. If he ( is ) here, he would help me with my home work.

もし彼がここにいたら、彼は私の宿題を手伝うだろう。

3. If I ( am ) there, I could have helped you with your homework.

もし私があそこにいたら、宿題を手伝うことができたのに。

4. If I had taken his advice, I ( pass ) the exam.

もし彼のアドバイスを受けていたら、試験に合格できただろうに。

*pass the exam 試験に合格する

Hint : 動詞の形に注目!!

If節と主節の中の動詞の形が

現在の仮定なら → [If S過去形 → S 助動詞の過去 + 動詞の原形]

過去の仮定なら → [If S had 過去分詞 → S 助動詞の過去 + have 過去分詞]

解答

1. talk → could talk

全文:If I had enough time, I could talk with you.

If節の中がhad(過去形)なので、現在の仮定と判断する。

現在の仮定 = [If S過去形 → S 助動詞の過去 + 動詞の原形]なので、主節は[助動詞の過去 + 動詞の原形]と判断する。意味が「できたのに」なので助動詞の過去はcouldを選び、could talkが答えとなる。

2. is → were(was)

全文:If he were(was) here, he would help me with my homework.

主節の中がwould help(助動詞の過去 + 動詞の原形)なので、現在の仮定と判断する。

現在の仮定 = [If S過去形 → S 助動詞の過去 + 動詞の原形]なのでIf節の中は過去形と判断して、were/wasを入れる。(文法的にはbe動詞は”were”が正しいが、会話表現では、“was”がよく使われる。)

3. am → had been

全文:If I had been there, I could have helped you with your homework.

主節の中がcould have helped(助動詞の過去 + have 過去分詞)なので、過去の仮定と判断する。

過去の仮定 =[If S had 過去分詞 → S 助動詞の過去 + have 過去分詞] なのでIf節の中は過去完了形と判断して、had beenを入れる。

4. pass → could have passed

全文:If I had taken his advice, I could have passed the exam.

If節の中がhad+過去分詞(過去完了形)なので、過去の仮定と判断する。

過去の仮定 =[If S had 過去分詞 → S 助動詞の過去 + have 過去分詞] なので、主節は[助動詞の過去 + have 過去分詞]と判断する。意味が「できただろうに」なので助動詞の過去はcouldを選び、could have passedが答えとなる。

まとめ

仮定法は形を公式として覚えてください。

現在の仮定  =  [If S *1過去形       → S *2助動詞の過去 + 動詞の原形]

過去の仮定  =  [If S had 過去分詞 → S *2助動詞の過去 + have 過去分詞]

*1 be動詞 = were (会話ではwas)を使う

*2 助動詞過去形は4つ = would(〜だろうに) / could(できたろうに) / may(かもしれないのに) /should(きっと〜だろう)

覚え方は↓

[ If 過去、 would ]

 (いふ かこ、うど)

[ If had p.p、would have p.p]

(いふ はど ぴーぴー、うど はぶ ぴーぴー)

(  )内の日本語を、唱えて覚えましょう。

p.pは過去分詞のことです。助動詞の過去はwouldを代表として覚えましょう。

最終確認問題

① (   )内の動詞を適切な形に変えましょう。

1) If he ( is ) here, I would eat out with him.

*eat out 外食する

2) If I ( have ) enough money, I would have bought a bigger house.

3) If I had met him yesterday, I ( ask ) him to help me with my homework.

4) If she knew this fact, she ( get ) angry.

② 適切な語句を選択肢から選びなさい。

1) If I were you, I (  ) the report a few weeks *in advance.

  ① prepare ② prepared ③ will prepare ④ would prepare

*in advance 事前に

2) What would Peter do if he (  ) the truth?

  ① knew ② has known ③ had known ④ know   

3) If I had known *the nature of the examination, I (  ) the newspapers of the past several weeks more carefully.

  ① had been reading  ② had read ③ was reading ④ would have read

 *the nature of the examination 審査の性質 (natureは性質という意味)

4) If I had taken your advice, I (  ) in trouble now.

  ① wouldn’t be ② would have been ③ haven’t been ④ would be

解答

① (   )内の動詞を適切な形に変えましょう。

1) is → were(会話ではwasがよく使われる)

(If he were(was) here,) I would eat out with him.
訳:もし彼がここにいたら、彼と外食に行くのになぁ

2) have → had had

(If I had had enough money,) I would have bought a bigger house.
訳:もし十分なお金があったら、もっと大きな家を買っただろうなぁ

3) ask → would have asked

(If I had met him yesterday,) I would have asked him to help me with my homework.
訳:もし昨日彼に会っていたら、彼に宿題を手伝うにように頼んだのになぁ

4) get → would get

(If she knew this fact,) she would get angry.
訳:もし彼女がこの事実を知ったら、彼女は怒るだろうなぁ

② 適切な語句を選択肢から選びなさい。

1) = ④ would prepare

(If I were you,) I would prepare the report a few weeks in advance.
訳:もし私があなたなら、数週間前に、レポートを準備するだろうなぁ

2) = ① knew

What would Peter do ( if he knew the truth )?
訳:もし真実を知ったら、ピーターはどうするだろうか。

✅ If節が後ろに来ても、慌てずに仮定法の公式↓
【 If 過去、would (いふ かこ、うど) 】を思い出してください。

3) = ④ would have read

(If I had known *the nature of the examination,) I would have read the newspapers of the past several weeks more carefully.
訳:もし試験の性質を知っていたら、もっと注意深く過去数週間の新聞を読んだのになぁ

 *the nature of the examination 審査の性質 (nature=性質という意味)

4) = ① wouldn’t be      

(If I had taken your advice,) I wouldn’t be in trouble now.
訳:もしあなたの助言を聞いていたら、あんな困ってなかっただろうなぁ

✅ この問題は、主節の“now”に注目!!
If節の中では ”had+過去分詞” が使われているので、「(過去に)あなたの助言を聞いていたら」という意味で、過去に言及しています。

一方で、” I ” から始まる主節の文の中には“now”があるので、現在のことに言及しています。
よって、現在の仮定を表す ”wouldn’t be”を選択しましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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ゆん
現役英語教師をしながら英語に関する情報を書いています。今年で教員生活10年目になります。みなさんに役立つ情報をできる限り発信していきたいと思います。