時制

時制 【基礎⑤】-過去完了形-

坪田塾

現在完了には「今と過去をつなぐイメージ」があります。

過去完了には、「さらに前の過去と過去をつなぐイメージ」があります。

例文とイメージを見ながら確認していきましょう。

過去完了形

過去完了形

形:had + 過去分詞」

意味:①「〜したところだった・〜してしまっていた」(完了・結果)

   ②「〜したことがあった」(経験)

   ③「(ずっと)〜していた」(継続)

現在完了には、3つの意味がありました。過去完了も意味は一緒です。

違いは1つ過去にずれすだけです。

過去完了を確認する前に、現在完了を先に確認していてください。

例文とともにイメージを確認していきましょう。

過去完了の「コア」イメージ

以下の例文の違いはなんでしょうか?

① I had lived in Tokyo for three years before I moved to Osaka. (過去完了)

訳:私は3年間東京に住んでいた。(大阪に引っ越す前に)

② I have lived in Osaka for three years. (現在完了)

訳:私は3年間東京に住んでいます。

これをイメージ確認していきましょう。

過去完了の形は「had + 過去分詞」ですよね。この形にはちゃんと意味があります。

① had(助動詞) =「(過去に)持っていた」

② 過去分詞 =「(さらに過去に)〜した経験や状態」

①+② have + 過去分詞 = 「(大過去に)〜した状態や経験を(過去に)持っていた」

haveは意味は、ご存知の通り「持っている」という意味ですよね。(文法上は助動詞の扱い)

hadになったら、「持っていた」という意味になります。

過去分詞は、「さらに過去に〜した」というイメージです。

この2つが合わさると、「(大過去に)〜した状態や経験を(過去)持っていた」という意味となります。

イメージにすると↓

①の過去完了形は、”before I moved to Osaka”大阪に引っ越した時よりも前に東京に住んでいたことを表します。

②の現在完了形は、大阪に引っ越して、現在まで大阪に住んでいることを表します。

この2つの時間軸の違いを理解できたら、過去完了はほとんど理解できたも同然です。

過去完了形で完了・結果を表す 「〜したところだ」「〜してしまった」

完了

① I had finished my homework when you came home.

(あなたが家に帰ってきたときには、私は宿題を終えていた。)

「宿題を終えた状態を、(過去に)持っていた」という完了を表す表現です。

宿題を終えたのは、あなたが来る前だったということが伝わります。

時間軸のイメージ↓

家に帰ってきた時には、宿題を終えている状態があったということです。

過去よりさらに前の「大過去」に宿題を始めていて、君がきた時には終わってたよっということですね。

結果

② I have caught a bad cold when you came home.

(あなたが来る前に、私はひどい風邪をひいてしまっていた)

「ひどい風邪を引いた状態を、(過去に)持っていた」という結果を表す表現です。

風邪を引いたのは、あなたが来るさらに前だったことが伝わります。

現在完了形で経験を表す 「〜したことがあった」

経験

③ I had been to Japan three times before I went to study abroad in Japan in 2020.
(2020に、日本に留学に行く前に、3回日本に行ったことがあった。)

「留学より前に、3回日本に行ったことがあった」という経験を表す表現です。
留学行ったときよりも前に、日本に3回行った経験があることが伝わります。

現在完了形と現在完了進行形で継続を表す 「ずっと〜していた」

状態の継続

④ he had lived in this town for three years before he moved to Osaka
(大阪に引っ越す前に、3年間この街に住んでいた。)

例文④では、状態の継続を表しています。「大阪に引っ越す前に、3年間住んでいた」という状態の継続を表しています。
この意味を表す動詞は状態動詞と決まっています。
以下に状態動詞をまとめました。


以前の記事でも状態動詞を扱っているので、確認してください。
→ 詳しくはこちらを見てください。

思考系:believe(信じている) / know(知っている) / realize(実感する) / remember(覚えている)
感情系:like(好き) / love(大好き) / hate(ひどく嫌う) / dislike(嫌う)
所属・所有系:have持っている / posses(持っている) / resemble(似ている) / belong to(所属している) / contain(含んでいる) / consist of(成る)
存在系:be(いる) / exist(存在する)


動作の継続

⑤ I had been waiting for an hour before our bus arrived.
(バスが到着する前に、私は1時間も待っていた。)

例文6では動作の継続を表しています。「バスが到着する前に、ずっと待っていた」という「待つ」という動作の継続を「ずっと」続いていたことを強調するために使われます。

動作の継続を表す時の形は“S had been -ing”を使って、「ずっと-し続けていた」という動作が続いていたことを表します。

形は過去完了形 と 進行形がくっついて 過去完了進行形 という形になります。

まとめ

過去完了形は = 過去よりさらに前(大過去)から、過去のある時点のまでを表す

現在完了形は = 過去から現在までを表す

過去完了形は現在完了形とのイメージを比較するとわかりやすいです。

「完了/結果/経験/継続」という用法は、日本語に訳すときや、その意味の違いを理解する時には大切ですが、コアのイメージは「過去よりさらに前(大過去)から、過去のある時点」までのことを表します。

慣れるまでは過去完了形を区別は少し難しいかもしれませんが、慣れるまでは時間軸を意識しながら少しずつ慣れていきましょう。

違いがよくわからない場合はぜひ質問していただければと思います。

ABOUT ME
ゆん
現役英語教師をしながら英語に関する情報を書いています。今年で教員生活10年目になります。みなさんに役立つ情報をできる限り発信していきたいと思います。