助動詞

助動詞④【must / have toの違いや意味】

坪田塾

ここでは助動詞”must”と”have to”の意味を確認していきましょう。

※表の”×”のところは意味がありません。

義務推量(確信)
must〜しなければならない〜に違いない
must (否定)〜してはいけない (禁止)
(must not)
×
(cannotを使う)
must (過去)
=must have 過去分詞
×〜したに違いない
(must have 過去分詞)
have to〜しなければならない×
have to 否定〜する必要がない×
had to (過去)〜しなければならなかった×
will have to (未来)〜しなければならないだろう×
mustとhave toの意味の比較

表に示したように、”must”には「義務」と「推量(確信)」の2つの意味があります。

一方で”have to”は「義務」の意味しかありません。

また、否定の意味に注目してください。

“must”は否定すると「していけない(禁止)」の意味になり

“have to”は「しなくてよい(権利)」の意味になります。

“must”の推量の意味の否定は”cannot”を使います。

そして、過去の意味においては

”must”は”must have 過去分詞”の形にして、「義務」の意味はなく、「〜してに違いない」

「強い確信」の意味になります。

“have to”は”had to”という形にして、「〜しなければならなかった(義務)」という意味になります。

また”have to”は”will have to”という形にして、「〜しなければならないでしょう(義務)」という意味になります。

この意味の区別は少し混乱するところなので、例文と一緒に確認していきましょう。

must(義務)「〜しなければならない」

義務の意味

1) You must arrive on time.

あなたは時間通りに到着しなければなりません

“must”は強い自分の意志で、「〜しないと」という意味を表します。

強い推薦の意味

1) You must come and see us when you come to Tokyo.

東京に来たら絶対に会いに来てください

must「〜しなければならない」の意味は、強い意志を表します。

この強い意志を、相手に使うことで、強くおすすめする時にも使われます。

自分=「〜しなければならない【義務】」→ 相手「(絶対に)〜したほうがいいよ【推薦】」

「絶対にしないと!」という義務が、相手に使うことで「絶対にしてね!」という意味になり、強くおすすめする時にも使われます。

否定文(禁止)「〜してはいけない」

例文

You must not wear hat in school.

学校では帽子をかぶってはいけません

“must”(義務)の否定形は、「〜してはいけいない(禁止)」の意味になります。

「notの状態でなければならない」→「notの状態でなくては絶対にダメ」→「〜してはいけない」というのが成り立ちです。

must(確信)「〜に違いない」

例文

A: John bought a new sports car, which cost *100 grand.

ジョンは新しいスポーツカーを購入し、その費用は10万ドルだったらしいよ。

B: He must be rich.

彼は金持ちに違いない

*1grand=1000ドル

100grand =10万ドル= 約1000万円

このようにある確かな情報があり、「ほぼ100%確信している」状態の時に

”must”を使うと「〜に違いない」という強い確信の意味になります。

否定文→ cannot「〜のはずがない」

“must”「〜に違いない」の否定は → “cannot”「〜のはずがない」を使います。

例文

A: John bought a new sports car, which cost *100 grand. But, he says he is poor.

ジョンは新しいスポーツカーを購入し、その費用は10万ドルだったらしいよ。だけど、彼は自分が貧しいと言ってるんだ。

B: He cannot be poor.

彼が貧しいにはずがない

“must not”は一般的に使われないので、”cannot”で覚えましょう。

must have 過去分詞(過去の確信)「〜したに違いない」

“must”には過去の形がありません。

そのため、”have + 過去分詞”をくっつけることによって、

過去の意味を持つようになります。

例文

A: John passed a tough exam.

ジョンは難しい試験に合格したよ。

B: He must have studied hard.

彼は一生懸命勉強したに違いない

ある確かな情報があり、「ほぼ100%確信している」状態の時に

”must have 過去分詞”を使うと「〜したに違いない」という過去の強い確信の意味になります。

have to (義務)「〜しなければならない」

例文

You have to arrive on time.

あなたは時間通りに到着しなければなりません

否定文「〜しなくて良い/〜する必要がない」

例文

You don’t have to come on time.

あなたは時間通りにこなくてもいいよ

”have to”の否定は「〜しなくて良い/〜する必要がない」という意味になります。

“must”の否定 =「してはいけない」(禁止)

“have to”の否定 =「〜しなくて良い/〜する必要がない」(権利)

had to / will have to (過去と未来の義務)「〜しなければならなかった/しなければならないでしょう」

”must”(義務)の意味には、過去形や未来表現がありません。

こういう時に使うのが”have to”を使う表現です。

mustの過去形 → had to「〜しなければならなかった」

mustには過去形がありません✖️

mustの未来表現 → will have to「(絶対に)〜しなければならない」

will mustは使えません✖️

“had to”の例文

I had to go home yesterday.

昨日家に帰らなければならなかった。

“will have to”の例文

I will have to go home tomorrow.

明日家に帰らなければならないでしょう。

must と have to の違いは?

“must”と”have to”は両方とも「〜しなければならない(義務)」という意味がありませすが、その違いを確認していきます。

must=個人の意志で「〜しなければならない」

have to=外部の圧力で「〜しなければならない」

例文で確認していきましょう。

例文①

1)I must go home now.

いま家に帰らなければない。

2)I have to go home now.

(しょうがなく)いま家に帰らなければない。

1)の”must”を使った例文では、家に帰って自分のやりたいことなどがあり、「帰らなきゃ」というニュアンスが伝わります。あくまでも、話し手個人の強い気持ちです。

2)の”have to”を使った例文では、家に帰らないとお母さんに怒られるから、「帰らなきゃ」というニュアンスが伝わります。話し手の意志ではなく、外部の圧力があり「しょうがなくやらなきゃ」ときに使います。

例文①

1)I must wear my school uniform. (×)

私の制服を着なければなりません。

2)I have towear my school uniform. (○)

私の制服を着なければなりません。

この二つの例文の場合は、1)の例文は好ましくありません。

「学校の制服を着る」というのは、個人の意志ではなく学校の校則(外部の圧力)によって決められたことなので、”have to”を使うのが好ましいといえます。

まとめ

それでは”must”と”have to”をまとめていきましょう。

“must”の意味は3つの意味で使われることを理解しましょう。

そして“have to”は「義務」の意味でしか使われません。

○表のオレンジの部分に注目してください。

”must”の強い確信の意味で否定する場合は”cannot(can’t)”を使います。

また、”must”の強い確信の過去の意味は”must have 過去分詞”で表します。

○表の青いの部分に注目してください。

「義務」の意味で過去を表す場合は”had to”で表します。

また、「義務」の意味で未来を表す場合は”will have to”で表します。

「義務」の意味で、未来や過去を表す場合は”must”は使えない

この表の違いを理解して、”must”と”have to”を正しく使えるようになりましょう。

今日もありがとうございました。

ABOUT ME
ゆん
現役英語教師をしながら英語に関する情報を書いています。今年で教員生活10年目になります。みなさんに役立つ情報をできる限り発信していきたいと思います。