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【2024年】 英検® は新システム導入で問題形式一部が変更!|難しい要約問題の具体的な対策も紹介

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坪田塾

2024年度より、実用英語技能検定(英検)の3級以上の級(1級、準1級、2級、準2級、3級)に、新たな形式での出題が決定しました。

ここでは現時点でわかっている変更点と特に難しいとされる、要約問題の具体的な対策を紹介していきます。

※詳細や最新情報は英検®公式サイトから確認してください。

いつから変更になる?

出典:英検®問題2024年度 実用英語技能検定(英検) 問題形式リニューアル

2024年度の第1回検定より変更になると発表がありました。

変更点まとめ

まずは新形式と従来の形式の変更点を「試験時間」「出題形式」確認しましょう。

試験時間

 従来の試験時間リニューアル後
1級100分変更なし
準1級90分変更なし
2級85分変更なし
準2級75分80分
3級50分60分

準2級は5分、3級は15分試験時間が延長されます。その他の級には試験時間の変更はありません。

出題形式

Reading (リーディング)

 従来の試験時間リニューアル後
1級4135
準1級4131
2級3831
準2級3729
3級30変更なし

試験時間調整に伴い、1級〜準2級を対象に「語彙問題」「長文問題」の設問数が削減されます。3級に変更はありません。

削減される場所を詳しく確認していきましょう。

1級:
大問1語句補充問題 25問から22問に削減されます。
長文内容一致問題10問から7問に削減されます。(長文1つ削除される)

準1級:
大問1語句補充問題 25問から18問に削減されます。
長文内容一致問題10問から7問に削減されます。(長文1つ削除される)

2級:
大問1語句補充問題 20問から17問に削減されます。
※文法問題は出題されなくなります。
大問3Bの長文問題の4問が削除されます。(長文1つ削除される)

準2級:
大問1語句補充問題 20問から15問に削減されます。
※文法問題と熟語問題が出題されなくなります。
大問3Bの長文語句補充問題の3問が削除されます。(長文1つ削除される)

3級:
特に削減なし

Writing (ライティング)

従来の試験リニューアル後
出題数   
1級1題
「意見論述」の出題2題
既存の「意見論述」の出題に加え、
要約」問題を出題
準1級
2級
準2級英作文問題の出題既存の「意見論述」の出題に加え、
「Eメール」 問題を出題
3級

ライティングは、すべての級の出題数が1題から2題に変更となります。
1級〜2級は「要約問題」が1題追加されます。
準2級と3級は「Eメール問題」が1題追加されます。

英検から発表されている出題例はこちら

級​変更内容例題
1級Writing 要約問題出題例
準1級Writing 要約問題出題例
2級Writing 要約問題出題例
準2級Writing Eメール問題出題例
3級Writing Eメール問題出題例
参照:2024年度 実用英語技能検定(英検)問題形式リニューアル

Listening (リスニング)

リスニング問題の変更は予定されていません。

Speaking (スピーキング)

スピーキング(二次試験)に関しては、準1級のみリニューアルされる予定です。
「受験者自身の意見を問う質問」に話題導入文が追加されます。その他の級に変更はありません。

英検から発表されている出題例はこちら

新形式の対策

大きな変更があったライティングの要約問題の対策から確認していきましょう。

英検から発表されている出題例を使って各級の対策を考えていきましょう。

級​変更内容例題
1級Writing 要約問題出題例
準1級Writing 要約問題出題例
2級Writing 要約問題出題例
準2級Writing Eメール問題出題例
3級Writing Eメール問題出題例
参照:2024年度 実用英語技能検定(英検)問題形式リニューアル

要約問題の対策(ライティング)

まずは要約問題の対策から確認していきましょう。

まずは対策をする上で必須になってくる、英検から発表されている評価の観点を確認していきましょう。

要約問題の評価の観点(1級・準1級・2級)

英検では【内容・構成・語彙・文法】の4つの観点で、要約問題は評価されます。

観点の評価点は以下のように異なりますが、求められることは基本的に同じです。

点数
1級各8点で合計32点
準1級各4点で合計16点
2級各4点で合計16点

【内容・構成・語彙・文法】の4つの観点のポイントを以下にまとめます。

1)内容:本文の文章を読んでない人にも、内容が伝わるようにすることポイント。
2)構成:論理ディスコースマーカーを意識して文章を構成できているかがポイント。
3)文法:文法的に正しく使えているかがポイント。
4)語彙:本文の内容を言い換え(他の表現を使って)て文章を書けているかがポイント。また、具体的な事柄を抽象的な表現に言い換えることがポイント

それでは具体的にどんな考え方をすればいいか、2級の問題を例に考えていきましょう。

練習問題

具体的にどんな考え方をすればいいか、2級の問題を例に考えていきましょう。

2級の出題例 

・以下の英文を読んで,その内容を英語で要約し,解答欄に記入しなさい。 

・語数の目安は45語 ~ 55語です。 

・解答欄の外に書かれたものは採点されません。 

・解答が英文の要約になっていないと判断された場合は, 0 点と採点されることがあります。 英文をよく読んでから答えてください。 

When students go to college, some decide to live at home with their parents, and others decide to rent an apartment by themselves. There are other choices, too. These days, some of them choose to share a house with roommates. 

What are the reasons for this? Some students have a roommate who is good at math or science and can give advice about homework. Other students have a roommate from abroad and can learn about a foreign language through everyday conversations. Because of this, they have been able to improve their foreign language skills.

On the other hand, some students have a roommate who stays up late at night and watches TV. This can be noisy and make it difficult for others to get enough sleep. Some students have a roommate who rarely helps with cleaning the house. As a result, they have to spend a lot of time cleaning the house by themselves.

大学に進学する際、実家で両親と暮らすことを決める学生もいれば、自分でアパートを借りることを決める学生もいる。それ以外の選択肢もある。最近では、ルームメイトとの共同生活を選ぶ人もいる。

その理由は何だろうか。数学や理科が得意で、宿題のアドバイスをしてくれるルームメイトがいる学生もいます。また、外国人のルームメイトがいて、日常会話を通して外国語を学ぶことができる学生もいる。そのおかげで、彼らは外国語能力を向上させることができた。

一方、夜遅くまでテレビを見ているルームメイトがいる学生もいる。これはうるさく、他の人が十分な睡眠をとることが難しくなります。家の掃除をほとんど手伝わないルームメイトを持つ学生もいる。その結果、家の掃除に多くの時間を割かなければならなくなる。

解答例 

These days, some college students share a house with roommates. By doing this, some students can get help from their roommates with various things, such as math, science, or foreign languages. However, some students have trouble with their roommates, such as trouble about sleeping times or cleaning the house. 

点数を取るためのポイント

前述したようにポイントは以下のようになります。

1)語彙:本文の内容を言い換え(他の表現を使って)て文章を書けているかがポイント。また、具体的な事柄を抽象的な表現に言い換えることがポイント
2)構成:論理ディスコースマーカーを意識して文章を構成できているかがポイント。

3)内容:本文の文章を読んでない人にも、内容が伝わるようにすることポイント。
4)文法:文法的に正しく使えているかがポイント。

1)語彙

語彙に関しては、まず本文の内容を言い換え(他の表現を使って)て文章を書けているかがポイントです。

上記の2級の問題では、例えば以下のような言い換えがなされています。

No本文解答例
These days, some of them choose to share a house with roommates. These days, some college students share a house with roommates.
2Some students have a roommate can give advice about homework. some students can get help from their roommates with various things, such as math, science,
3can learn about a foreign languagecan get help from their roommates with various things, such as math, science, or foreign languages.
4On the other handHowever

このように全く同じ表現ではなく、できる限り言い換えをして、文章として短くしてあげることが重要です。


また、具体的な事柄を抽象的な表現に言い換えることもポイントです。
上の問題の第3段落を見ると以下のように言い換えがされています。

本文解答例
This can be noisy and make it difficult for others to get enough sleep. Some students have a roommate who rarely helps with cleaning the house.some students have trouble with their roommates,

以上のように本文では「騒がしい」「眠れない」「掃除をしない」などの細かい具体例が書かれていますが、解答例では【トラブルがある】という抽象的な表現にまとめられています。

「りんご」「バナナ」「メロン」が【フルーツ】と1つの表現にまとめられるように、具体的なものを、抽象的な短い言葉にまとめられるようにすることが重要です。

2)構成

論理ディスコースマーカーを意識して文章を構成できているかがポイントです。

上記の2級の問題の解答例でいえば、【However】を使って最終的に伝えたいことを逆説で述べてまとめています。
以下のような論理ディスコースマーカーを意識して文章書くことが重要です。

代表的なディスコースマーカー

「逆接」:but(しかし)however(しかしながら)yet(しかし、それにもかかわらず)although(~だが)though(~だが)

「対比」:while(一方で)whereas(一方で)meanwhile(一方で)on the contrary(それどころか、むしろ);【セミコロン】(一方で)

「例示」:for example(たとえば)for instance(たとえば)such as(~のような)including(~を含めて): 【コロン】(~のような)

「結果」:in conclusion(結論として)consequently(その結果)as a result(その結果)therefore(よって)thus(こうして)

3)内容

本文の文章を読んでない人にも、内容が伝わるようにすることがポイントです。

具体的には、問題文の各段落ごとにまとめるようにしましょう。例えば、今回の英検公式の2級の出題例は3段落あるので、最低でも3つの文を書く必要があります。

また「誰/何が(主語)」「どうした(動詞)」を中心に、主述関係を意識しながら内容をまとめるようにしましょう。

例えば、今回の解答例を見てみましょう。

解答例 

第1段落:These days, some college students share a house with roommates.

第2段落:By doing this, some students can get help from their roommates with various things, such as math, science, or foreign languages.

第3段落:However, some students have trouble with their roommates, such as trouble about sleeping times or cleaning the house. 

解答例を見てわかるように、段落ごとにまとめられていて、「誰/何が(主語)」「どうした(動詞)」がそれぞれの文で明確に記されています。

4)文法

文法に関しては、正しく使えているかがポイントとなります。2級レベルですと、そこまで減点はされないですが、級が上がるにつれて、厳しい採点がされます。

私の経験として、文法も語彙も自分が今までに使ったことがあるもので、あやふやな知識のまま使わないことが重要です。逆に言うと、1級レベルでもそこまで難しい表現を使わずとも8割以上は取れます。

まとめ

この新形式に変更された背景には、昨今の英語学習では、4技能をバランスよく向上させることが求められています。語学力だけではなく、目的や場面に応じて必要とされる思考や判断力などを伸ばすことも同時に求められます。そうした英語能力観を反映した出題形式に変更する必要があり、今回リニューアルが決定されました。
*参照:英検®問題形式一部リニューアルのお知らせ

おそらく英検が学校や企業で対策され、実力を問うための試験としては、少しずつ効力が薄れてきた側面があります。また、英検のライティングは対策がしやすく得点源になりやすいため、他の技能との比重を考えた上でのリニューアルかと思われます。

英検が単なる受験や就活の証明だけでなく、本来の英語力を問うための改善していくことも考えられますが、今回の英検の新形式は、単なる知識を問う形式から”英語を活用して思考力を問う形式”になりました。つまり、裏では国語力も英語力の一部だというメッセージかもしれません。

今後もこのような変更があると思いますが、英語の根幹を理解し活用できれば問題ないと思います。

今回は英検®の変更点についてまとめました。
最後までお読みいただきありがとうございます。

※詳細や最新情報は英検®公式サイトから確認しましょう!

ABOUT ME
ゆん
現役英語教師をしながら英語に関する情報を書いています。今年で教員生活10年目になります。みなさんに役立つ情報をできる限り発信していきたいと思います。