ここでは、形容詞(=名詞を説明する)の働きをする語句や文について、例文を用いながら解説していきます。
- 形容詞のかたまりってどこで使われるの?
- どんな種類があるの?
- (1)前置詞句 ⇒ 名詞 <前置詞+名詞>
- (2) 不定詞句 ⇒ 名詞 <to do…>
- (3) 分詞句 ⇒ 名詞 <doing… > / <done…>
- (4) 形容詞句 ⇒ 名詞 <形…> ※名詞の後に形容詞句をつけて、名詞を説明する
- (5) 関係代名詞節 ⇒ 名詞 <who(m) / which / that / whose 名詞 (S) V…>
- (6) 主語(S) + 動詞(V) ⇒ 名詞 <S V…>
- (7) 関係副詞節 ⇒ 名詞 <when/where/why/the way S V…>
- (8) 同格 that / whether ⇒ 名詞 <that/whether S V…>
- 復習
- 最後に
形容詞のかたまりってどこで使われるの?
形容詞のかたまりとは、形容詞句と形容詞節のことです。形容詞の働きは、名詞を説明(修飾)するというものです。例えば、“大きな犬”という句は、大きなが形容詞で、犬という名詞を修飾していますね。このように名詞を就職する道具を形容詞と言いますが、ここでは形容詞のかたまりを勉強していきましょう。
英文中で名詞を後ろから修飾する。
どんな種類があるの?
以下の8種類があります。
形容詞句
- (1)前置詞句 ⇒ 名詞 <前置詞+名詞>
- (2)不定詞句 ⇒ 名詞 <to do…> …する/するための/すべき
- (3)分詞句 ⇒ 名詞 <doing… > …している / <done…> …される/した
- (4)形容詞句 ⇒ 名詞 <形…>
形容詞節 (接続詞の役割)
- (5)関係代名詞節 ⇒ 名詞 <who(m) / which / that / whose 名詞 (S) V…>
- (6)主語(S) + 動詞(V) ⇒ 名詞 <S V…>
- (7)関係副詞節 ⇒ 名詞 <when / where / why / the way S V…>
- (8)同格 that / whether ⇒ 名詞 <that/whether S V…>
それでは例文を用いながら、実際に上の8種類がどのように、どこで使われるかを見ていきましょう。形容詞のかたまりを< >を使って示していきます。また修飾する名詞には青いマーカーを引いてあります。
(1)前置詞句 ⇒ 名詞 <前置詞+名詞>
まずは一番典型的な<前置詞+名詞>のかたまりです
Pass me the salt <on the desk>. (<机の上の>塩をください)
V O1 O2
(<机の上の>塩をください)
“on the desk”という前置詞+名詞のかたまりが、前の名詞”the salt”の場所を説明しています。
(2) 不定詞句 ⇒ 名詞 <to do…>
to 不定詞から確認しましょう。訳し方は「…する/するための/すべき」で、to 不定詞がどこで使われているかを確認していきましょう。
1. He was the first man <to walk (on the moon)>. (S V 関係)
S V C
(彼は<月を歩いた>最初の人だった)
2. I have a lot of letters <to write>. (V O 関係)
S V O
(<書くべき>たくさんの手紙がある)
3. Give me some papers <to write on>. (前置詞+Oの関係)
V O1 O2
(<書くための>紙をいくつかください。)
4. He had a desire <to see her>. (同格の関係)
S V O
(彼は<彼女に会うという>強い願いを持っていた)
例文1では“to walk on the moon”のかたまりが前の“the first man”を修飾しています。
(このパターンはSV関係と呼ばれ、the first man が主語、(to) walk のtoを抜いたら述語として成り立つので、SVの関係と言われています。)
例文2では“to write”が”a lot of letters”を修飾しています。
(このパターンはVO関係と呼ばれ、a lot of letters が目的語で、to write の後ろに入れることができるので、VOの関係と言われています。)
例文3では“to write on”が”some papers”を修飾しています。
(このパターンは前置詞+Oの関係と呼ばれ、a lot of letters が前置詞の目的語で、to write on のon(前置詞)の後ろに入れることができるので、前置詞+Oの関係と呼ばれています。)
例文4では“to see her”が”a desire”を修飾しています。
(このパターンは同格の関係と呼ばれ、to see herはdesireの内容となります。「彼女に会うという願望」という意味になり、desireとto see her は=関係なので、同格と呼ばれます。
(3) 分詞句 ⇒ 名詞 <doing… > / <done…>
分詞には、現在分詞(doing)と過去分詞(done)の2種類しかありません。
現在分詞(-ing) →「~している」
過去分詞(p.p) →「~される、された、した(完了)」
1.The man <reading a book over there> is Tom.
S 現在分詞 V C
(<向こうで本を読んでいる>人はトムです)
2.The book <read most (in the world)> is the Bible.
S 過去分詞 V C
(<世界で最も読まれている>本は聖書です。)
例文1では“reading a book over there”が”the man”を修飾しています。
例文2では“read most (in the world)”が”the book”を修飾しています。
(4) 形容詞句 ⇒ 名詞 <形…> ※名詞の後に形容詞句をつけて、名詞を説明する
※名詞の後に形容詞をつけて、名詞を修飾することがあります。
We were on a train <full of passengers>.
S V 名 形
(私たちは<乗客でいっぱいの>電車に乗っていました)
例文では“full of passengers”が”a train”を修飾しています。
(5) 関係代名詞節 ⇒ 名詞 <who(m) / which / that / whose 名詞 (S) V…>
関係代名詞も形容詞のかたまりとして、名詞を説明する役割をします。皆さんは下の表を覚えていますけね?ここではあまり解説しませんが、わからなければ関係代名詞の部分を確認してください。
1.He is the man <who lives (here)>.
S V C (S’) V’
(彼は<ここに住んでいる>人です)
2.The woman <whom he married> was beautiful.
S (O’) S’ V’ V C
(<彼が結婚した>女性はきれいだった)
3.The book <which I borrowed (from him)> is interesting.
S (O’) S’ V’ V C
(<私が(彼から)借りた>本は面白いです)
4.This is the picture <that Mary painted>.
S V C (O’) S’ V’
(これは<メアリーが描いた>絵です。)
5.I met a girl <whose name I had forgotten>.
S V O S‘ V’
(<私が名前を忘れていた>女の子に会った。)
例文1では“who lives (here)”が” the man”を修飾しています。
例文2では“whom he married”が” The woman”を修飾しています。
例文3では“which I borrowed (from him)”が” The book”を修飾しています。
例文4では“that Mary painted”が”the picture”を修飾しています。
例文5では“whose name I had forgotten”が”a girl”を修飾しています。
(6) 主語(S) + 動詞(V) ⇒ 名詞 <S V…>
1.The book < I borrowed (from him)> is interesting.
S S’ V’ V C
(<私が(彼から)借りた>本は面白いです)
例文では“I borrowed (from him)”が” the book”を修飾しています。
先ほどの表(下図)の目的格の関係代名詞は省略することができます。本来は“The book whom(that) I borrowed”という文ですが、例文のようにかなりの確率で省略されます。名詞の後ろに“主語(S) + 動詞(V)”がきたら、すぐにこの形を思い出してください。
(7) 関係副詞節 ⇒ 名詞 <when/where/why/the way S V…>
関係副詞も形容詞のかたまりとして、名詞を説明する役割をします。まとめると下の表のようになります。では例文を見て行きましょう。
1.June is the month <when we have a lot of rain>.
S V C S’ V’ O’
(6月は<雨が多い>月です)
2.This is the house <where he was born>.
S V C S’ V’(受)
(これが<彼の生まれた>家です)
3.I know the reason <why he left the club>.
S V O S’ V’ O’
(<彼がクラブを辞めた>理由を知っています)
4-1.This is the way <I solved the problem>.
S V C S’ V’ O’
(これが<私が問題を解決した>方法です)
※the way の部分はhowに置き換えることができる。その場合は[名詞のかたまり]になる。
= 4-2.This is [how I solved the problem].
S V C S’ V’ O’
(これが[どのように私が問題を解決したか]です。)
例文1では”when we have a lot of rain”が” the month”を修飾しています。
例文2では”where he was born”が”the house”を修飾しています。
例文3では”why he left the club”が”the reason”を修飾しています。
例文4では”I solved the problem”が” the way”を修飾しています。上の【(6)名詞 <S V…>】の形で、howが省略された形なのですが、howを置くことは絶対にできません。howを置くと例文4-2のようにthe wayが省略されてしまい、名詞のかたまりになります。意味は全く変わりませんが、「the way」と「how」は水と油の関係で、一緒に置くことができないので、英作文の時などは注意しましょう!
(8) 同格 that / whether ⇒ 名詞 <that/whether S V…>
同格の”that”” whether”も形容詞のかたまりとして、名詞を説明する役割をします。
Thatは「〜という」・whetherは「〜かどうか」と訳しましょう。それでは、例文を見ていきましょう。
(同格のthatとwhetherは名詞の内容を説明する道具なので、”I think that”のthatと一緒の役割で名詞のかたまりとする参考書もありますが、ここでは形容詞のかたまりとして説明します。)
1. He knew the fact <that she was married>.
S V O S’ V’(受)
(彼は<彼女が結婚したという>事実を知っていた)
2. The question <whether she should accept Joe’s proposal> troubled Susan.
S S’ V’ O’ V O
( <ジョーのプロポーズを受けるべきかどうかという>問題がスーザンを悩ませた。 )
例文1では” that she was married”が”the fact”を修飾し、the factの内容を追加説明しています。
例文2では” whether she should accept Joe’s proposal”が” The question”を修飾し、the questionの内容を追加説明しています。
同格のthatを導く名詞の特徴
同格のthatを導く名詞は、物体ではなく内容が含まれる名詞という特徴があります。これは会話の中で、「えっどんな?」という内容をつっこみたくなる名詞です。例を示していきます。
授業中に生徒が急にこんな発言しました。
先生、意見があります
えっどんな?
先生、私も要求があります
うん、どんな?
先生、報告があります
うん、どんな?
もし生徒がこのように言ってきたら、内容を聞きたくなりますよね。もしこのまま会話が途切れたら、明らかにおかしいですよね。このように内容がないと違和感がある名詞には同格のthatやwhetherで内容を説明することができます。下に表のように属性でまとめたので確認してください。まずは、意見・考え・証拠・事実・可能性の5つを覚えてください。同格のwhetherが使える名詞は3つだけなので、覚えましょう。
< 同格 that 節を伴う名詞 > ~ 物体ではなく内容が含まれるもの ~
opinion(意見) | conclusion (結論) claim (要求) doubt (疑い) |
idea(考え・感覚) | belief (信念) thought (考えること) assumption (仮定) fear (恐れ) knowledge (知識) sense (感覚) impression (印象) |
evidences(証拠) | proof (論拠) rumor (うわさ) |
fact(事実) | news (知らせ) report (報告) observation (観察) ground (立場) |
possobilty(可能性) | hope (希望) |
まずは代表的な、意見/考え/証拠/事実/可能性の5つを覚えて、関係する単語を覚えていきましょう。
< 同格 whether 節を伴う名詞 >
decision ( 決断 ) doubt ( 疑い ) question ( 問題 ) など
復習
ここからは、上の例文を自分の力で文型を振り、訳してください。自分のノートに英文を書いて訳すことをお勧めします。形容詞のかたまりは< >で囲んでください。
(1) Pass me the salt on the desk.
(2) 1. He was the first man to walk on the moon.
2. I have a lot of letters to write.
3. Give me some papers to write on.
4. He had a desire to see her.
(3) 1.The man reading a book over there is Tom.
2.The book read most in the world is the Bible.
(4) We were on a train full of passengers.
(5) 1.He is the man who lives here.
2.The woman whom he married was beautiful.
3.The book which I borrowed from him is interesting.
4.This is the picture that Mary painted.
5.I met a girl whose name I had forgotten.
(6) 1.The book I borrowed from him is interesting.
(7) 1.June is the month when we have a lot of rain.
2.This is the house where he was born.
3.I know the reason why he left the club.
4-1.This is the way I solved the problem.
4-2.This is how I solved the problem.
(8) 1. He knew the fact that she was married.
2. The question whether she should accept Joe’s proposal troubled Susan.
最後に
長文を読むときに、まずはこの形容詞のかたまりに気づけるようになると、少しずつ正しい読み方ができるようになると思います。いきなり全部に気づく必要はありません。長文を読む中で、少しずつ意識していくうちに、英文がかたまりで理解できるようになり、後ろから訳さなくても理解できるようになります。また市販の参考書で形容詞句、形容詞節という言葉が出てきたときは、この記事に戻って確認してください。理解の一助になるはずです。
この記事が少しでも皆さんの役に立てばありがたいです。正しい英語力を身につけ、自分の夢の実現に近づきましょう!!今日もありがとうございました。