Breaking Bad

ブレイキング・バッド 【シーズン 1-1】

坪田塾

英語のドラマを見ながら、表現を学んでいきましょう。

まだ見てない人は【ネタバレ注意】です。

内容を知りたくない人は、【まとめ】だけを見て、このシーズン1-1で使われている表現を学んでいただけたらと思います。

シーズン1−1 あらすじ

朦朧とする意識の中で、荒野を中年のおじさんがキャンピングカーを運転しているシーンからいきなり始まる。

そして道を外れ、キャンピングカーで木に突っ込み動けなくなってしまう。

そこから降りてくるのがこの中年おじさん↓

なぜかパンツ一丁で降りてきて、急に家族への遺言をビデオに残す。

場面は急に変わり、中年のおじさんがベットで目覚める。彼の名前はウォルター

そして中年おじさん(ウォルター)が奥さん(スカイラー)と朝食を食べながらこんな会話をする。

Skyler : What time do you think you’ll be home? (何時に家に帰ると思いますか?)

Walter : Same time (いつも通り)

Skyler: *I don’t want him dicking you around tonight. (今夜は残業しないで欲しいわ)

dick 人 around : 人の邪魔をする/人の時間を奪う

この言葉は”dick around”だけだと「時間を無駄にする」という意味でよく使われます。”mess around”と同じ意味ですね。

きれいな訳「今夜、彼にあなたの邪魔をして欲しくないわ

これがプロに訳されると 「今夜は残業しないで欲しいわ

となります。全然違いますよね。まずは、ちゃんと言葉の意味を理解してから表現は覚えるとことが大切です。

フレーズを覚える!

I(私は) / don’t want (望んでない) / him (彼が) / dicking you around(あなたの邪魔をすることを) / tonight(今夜)

日本語→英語

(私は) / (望んでない) / (彼が) /(あなたの邪魔をすることを) / (今夜)

ウォルターとスカイラーの息子であるウォルター・ジュニアが起きてきて会話は続く。

この日はウォルターの誕生日であった。

そして息子が皮肉っぽく言う

息子:*How does it feel to be old? (年老いた感想は?)

中年おじさん:How does it feel to be a *smart-ass?(生意気になったな)

how does it feel to do (to 人):(あなたにとって)~することはどのように感じますか

(to 人)の部分は基本的に省略されます。話している相手に聞いていることなので、わざわざ言う必要ないですよね。

また、”it” は”to do”の仮主語として使われています。

smart-ass: 生意気なやつ、横柄なやつ

フレーズを覚える!

・How (どのように) / does it feel (感じますか?) / to be old(歳をとることは) 

・How (どのように) / does it feel (感じますか?) / to be a smart-ass(生意気になることは) 

日本語→英語

・ (どのように) / (感じますか?) / (歳をとることは) 

 ・(どのように) / (感じますか?) /(生意気になることは) 

その後、ジュニアを学校まで送り、ウォルターもなぜか学校に入っていく。

そして次のシーンで、中年おじさんはその学校で化学を教える化学教師だということが判明。

授業のシーンは、いかにもアメリカらしい化学の授業である。

その時、授業中に後ろでいちゃいちゃしているカップルが現れる。

そのカップルに対してウォルターが注意する

ウォルター:Is there something wrong with your table? (自分の席に戻りなさい。)

there is something wrong with ~ :~の何かがおかしい / 調子がよくない

フレーズを覚える!

Is there(ありますか)/ something wrong(何かおかしいことが) / with your table(あなたのテーブルに)? 

日本語→英語

(ありますか)/(何かおかしいことが)/(あなたのテーブルに)? 

このフレーズは、本来は機械などが調子悪い時に使ったりするのですが、このように注意する時に、皮肉を込めて使われるんですね。私も初めて知りました。

その後、注意されたカップルの男が椅子をひきずり、大きな音を出しながら自分の席に戻ります。

そして悔しさとか苛立ちを抑えながら、”Are you done?”「移動終わった?」と優しく声をかける。

この時のウォルターの顔が、なんとも印象的で、”不安”というか自分への”不甲斐なさ”を表している感じが、すごく共感できるんですよね。

学校が終えた後は、副業としてガソリンスタンドでアルバイトをする。

普段はレジ係なのに、この日は人手不足で洗車を任されるのですが、ウォルターにはプライドがあり、絶対にやりたくないという感情を露わにするが、ここでも自分の感情を押し殺して、洗車を手伝う。

その時、あの授業でいちゃいちゃしてたカップルの車を、偶然洗車することに

そのカップルは笑いながらウォルターの写真を撮り、友達に報告する。

この時の顔も非常に印象的で、自分への”不甲斐なさ”や”苛立ち”を表情からすごく伝わります。

苛立ちを隠せない様子で、車で自宅まで運転する。

家に到着すると、この日が誕生日だったウォルターをサプライズで家族や親戚が出迎えます。

この辺りの状況や感情が刻々と変わっていく描写も、生活のリアリティーを表していて飽きさせないんですよね!

この誕生日パーティーで登場してくるのが、義理の兄弟であるハンクです。

この兄弟は超重要人物で、DEA(麻薬取締局)で働いています。

次の日にウォルターはガソリンスタンでのアルバイト中に倒れてしまい、救急搬送されます。

病院に搬送され、そこで発覚したのが

”手術不可能な肺がん” ”寿命は2年”

驚きを通り越し、やけに冷静に末期ガンを受け入れるウォルターが印象的なシーンです。

そして家に戻っても、ガンのことはスカイラーに伝えないんです。

その後副業のガソリンスタンドで、オーナーから洗車を頼まれるが、ウォルターは”F〇〇k you”と言い放ち、その場を後にする。

その後、義理兄弟のハンクに頼み、麻薬精製現場の取締りに同行することになる。

同行したその日、DEA部隊が麻薬精製所に突入し、犯人を逮捕するのだが、現場近くにいた組織の一人である男が逃走する。

ウォルターが目撃したその男は、彼の教え子であるジェシー・ピンクマン。

彼は車で逃走するが、卒業生である彼の住所が学校にあったため、翌日彼の家に訪問し、こう言う放つ

ウォルター:

You know the business.

(君はビジネスを知っている)

I know the chemistry.

(僕は化学を知っている)

このセリフがやけにカッコイイんです。

今までの自分を捨てたという強い意志が伝わってくる感じです。

こうして二人は、メスと呼ばれる麻薬を作るために動き出す。

シーンは代わり、スカイラーとスカイラーの兄弟であり、ハンクの妻であるマリーとの会話に移る。

ここシーンの会話で素晴らしい表現があるので確認しましょう。

マリー:So, what’s up with Walt lately?  (ウォルトは最近どうしたの?)

スカイラー:What do you mean? He’s fine.(どういう意味?彼は大丈夫よ)

マリー: He just seems… I don’t know. Quieter than usual. (彼はただなんと言うか…わからない。いつもより静かだわ)

スカイラー:Well, turning 50 is *a big deal.(うーん、50歳になるのは大ごとなのよ)  

I mean, *I’m sure as hell not looking forward to 40.(つまり、間違いなく40歳になることを楽しみにしてないわ。)

You’re gonna be a complete basket-case. (あなたもすぐにわかるわ)

a big deal:大きなこと、大事なこと

例文It’s no [not a] big deal. : 大したことじゃないよ。/朝飯前さ。 

deal は量や程度を表したり、取引を表す名詞です。

sure as hell : 確かに、間違いなく

このsure as hell = definitely「確実に、絶対に」と同じ意味の副詞表現です。

会話でよく使われるので、覚えておきましょう。

 I’m sure as hell not looking forward to 40.

= I’m definitely not looking forward to 40.

basket-case: 無力な人 / (手術などで)手足を失った人

basket-caseは、第1次大戦のころに軍隊の俗語として使われ、戦争で両腕・両脚を失い、担架で運べない兵士を、basket-case(かご)で運んだという痛ましい過去のできごとに由来する。

このことから「手足のない人」のことを”basket-case”と呼ぶようになった。

また「手足がない人」=「無力な人」という意味に派生した。手足がなく何もできない状態を表している、かなり過激な表現ですが、後者の意味でよく使われる表現です。

ここでの会話では、「40になりたくないわ」と言ったスカイラーが、マリーに対して、”You’re gonna be a complete basket-case.”と言っています。文脈から考えると、「あなたも年齢には逆らえないわよ(完全に無力だよ)」と言う意味で使われています。

フレーズを覚える!

・ turning 50 is(50歳になることは) / *a big deal(大ごとだと).

・ I’m(私は)/ sure as hell (間違いなく)/not looking forward to(楽しみにはしていない) / 40(40になることを).

・You’re gonna be(あなたはなるでしょう) / a complete basket-case(完全に無力に).

日本語→英語

・(50歳になることは) /(大ごとだと).

・(私は) / (間違いなく) / (楽しみにはしていない) / (40になることを).

・(あなたはなるでしょう) /(完全に無力に).

シーンは変わり、二人は麻薬精製のために本格的に動きだす。

二人で力わを合わせて、道具も揃ったところで、ジェシーがウォルターにこんな質問をする。

ジェシー:Some straight like you, *giant stick up his ass,(くそ真面目で、真っ直ぐだったあなたのような人が) 

all of a sudden, at age 60, He’s just gonna *break bad?(急に、60歳で、道を踏み外すってのか?)

straight :正直で、率直に、真っ直ぐな.

I’ll be straight with you. 率直に申しましょう.

stick up his ass:真面目な、つまらない

例文:My son has a giant stick up his ass.(あの子は本当に真面目な子なの。)

break bad:(悪い意味で)道を踏み外す、悪い道へ進む

タイトルにもなっているこの表現はアメリカ南部の方言だそうで、(悪い方向に)道を踏み外す時に使われるそうです。慣例や法を破り(break)、悪い道へ進む(bad)というイメージから来たのだと考えると、わかりやすいですね。

日本で言えば方言みたいなものなので、アメリカ全土で通じるわけではないようです。

フレーズを覚える!

Some straight (真っ直ぐな人) / like you(あなたのような), *giant stick up his ass,(くそ真面目で) / all of a sudden(急に),/ at age 60(60歳で),/ He’s just gonna *break bad?(道を踏み外すってのか?)

日本語→英語

(真っ直ぐな人) / (あなたのような), (くそ真面目で) / (急に),/ (60歳で),/ (道を踏み外すってのか?)

上の会話からもわかるように、真面目に生きてきたウォルターがなぜ麻薬製造に関わろうとしているのか疑問なのです。

もちろん末期ガンであることは誰にも伝えていません。

このあといよいよ本格的に麻薬製造をしていく展開に入りますが、この後にもヤバイ出来事がどんどん起こります。

そして最初のシーンで出てきた”パンツ一丁でキャンピングカーから降りてきて、急に家族への遺言をビデオに残した”理由がわかります。

ぜひ本編をみて確認してください!

絶対にハマります

まとめ

今日学んだ表現を再確認して行きましょう。


・dick 人 around : 人の邪魔をする/人の時間を奪う
・how does it feel to do (to 人):(あなたにとって)~することはどのように感じますか
・smart-ass: 生意気なやつ、横柄なやつ
・there is something wrong with ~ :~の何かがおかしい / 調子がよくない
・a big deal:大きなこと、大事なこと
・sure as hell : 確かに、間違いなく
・basket-case: 無力な人 / (手術などで)手足を失った人
・straight :正直で、率直に、真っ直ぐな.
・ stick up his ass:真面目な、つまらない
・break bad:(悪い意味で)道を踏み外す、悪い道へ進む

今日のフレーズを英語に直して、覚えてしまいましょう!!

  1. (私は) / (望んでない) / (彼が) /(あなたの邪魔をすることを) / (今夜).
  2. (どのように) / (感じますか) / (歳をとることは)? 
  3. (どのように) / (感じますか) /(生意気になることは)? 
  4. (ありますか)/(何かおかしいことが)/(あなたのテーブルに)? 
  5. (50歳になることは) /(大ごとだと).
  6. (私は) / (間違いなく) / (楽しみにはしていない) / (40になることを).
  7. (あなたはなるでしょう) /(完全に無力に).
  8. (真っ直ぐな人) / (あなたのような), (くそ真面目で) / (急に),/ (60歳で),/ (道を踏み外すってのか?)

皆さんは、寿命があと2年だと宣告された時、どんな生活をしたいか想像したことがありますか?

命が続くこと確証があるから、私たちは「我慢」というものができると思うのですが、死に直面すると本当に大切なものは何かを考え始めます。

そして、ウォルターは動き始めるのですが、彼は幸せになれるのか、乞うご期待ということで

皆さんも死に直面してからでは遅いので、常に自分の価値観と向き合うことを常に大切にしてください。

SEE YAA

ABOUT ME
ゆん
現役英語教師をしながら英語に関する情報を書いています。今年で教員生活10年目になります。みなさんに役立つ情報をできる限り発信していきたいと思います。