仮定法

仮定法⑦ 【as if(as though) 仮定法の使い方】

坪田塾

ここでは”as if”を使った仮定法の表現を確認していきましょう。

まずは以下の例文を比較してみましょう。

仮定法 vs 直説法

1)He behaves as if he is a genius.(彼は天才かのように振る舞った)

2)He behaves as if he were a genius.(彼はまるで天才かのように振る舞った)

“as if”以下の文に注目してください。

1)の例文では”is”が使われており、直説法が使われています。

直説法は、「現実にありえる」ことなので、彼は実際に賢くて、天才な人として振る舞ったことになります。

2)の例文では”were”が使われて、仮定法として使われています。

仮定法は、「現実にはありえない」ことなので、彼は実際には賢くないが、天才かのように振る舞ったことになります。

両方ともas ifを使い「〜のように」を表す動詞ですが、

“is”は現実に反しているわけではないから仮定法を使う理由もなく、「as if 直説法」の形

“were”を使っている例文は仮定法を使い「現実にはありえない」という話し手の気持ちが込められています。

“as if 仮定法”を使うと、「まるで〜のように」という比喩を表す表現になるということを理解してください。

“as if”の後ろに仮定法を使うと

①「現実には起こりえない妄想です」という話し手の気持ちを表す。

② その気持ちを表す目印として、時制を1つ過去にズラします。

仮定法についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事をお読みください。

仮定法① 【仮定法過去・仮定法過去完了】仮定法を練習問題もつけて丁寧に解説します。仮定法には公式があります。この公式を知らなくては、応用もできないので、しっかり抑えましょう。...

as if 仮定法の使い方

   as if 仮定法の取れる形は以下の二つです。

as if S had p.p.  (まるで~したかのように)

as if S 過去形  (まるで~するかのように)

いずれも時制を一つ前にズラして、仮定法として使います。

過去の比喩表現であれば➤ S V as if S had p.pまるで~したかのように」

現在の比喩表現であれば➤S V as if S 過去形まるで~するかのように」

as if S had p.p.  (まるで~したかのように)

as if の後ろに”had p.p”が使われると、前の動詞との時制を1つズラすことができます。

例文で確認していきましょう。

例文

1)You talk as if you had seen me before.

(まるで私を(過去に)見たかのように(今)話す

※時制のズレ= talk(今) → had seen(過去)

2)You talked as if you had seen me before.

(まるで私を(さらに過去に)見たかのように(過去に)話した)

※時制のズレ= talked(過去) → had seen(大過去)

“as if”の前の動詞”talk”or”talked”に注目してください。

例文1)では”talk”=現在形が使われているので、この例文を「いま」のことを話しています。

“as if”の後ろが仮定法で、過去完了形”had seen”が使われているので、過去の仮定をしています。

主節のtalkは現在で、as if 過去完了で過去を表しているので、時制がズレていることがわかりますね。

例文2)では”talked”=過去形が使われているので、この例文を「過去」のことを話しています。

“as if”の後ろが仮定法なので、過去完了形”had seen”が使われているので、

「話した時よりさらに前」=「大過去」の仮定をしています。

主節の動詞(“as if”の前の動詞)が時制を決めるので、この文は大過去の仮定をしています。

主節の動詞(“as if”の前の動詞)との関係で時制が決まることに注意しましょう。

“as if S had p.p.”を使った場合は、主節の動詞よりも前の時制を表します。

主節の動詞が文の時制が決まりますので、”as if S had p.p”の後ろは、主節の動詞の時制とは「ズレ」があることに注意しましょう。

as if S 過去形  (まるで~するかのように)

例文

1)You talk as if you knew everything.

(まるで全てを知るかのように話す

2)You talkedas if you knew everything.

(まるで全てを知るかのように話した)

“as if”の前の動詞”talk”or”talked”に注目してください。

例文1)では”talk”=現在形が使われているので、この例文を「いま」のことを話しています。

“as if”の後ろが仮定法なので、過去形”knew”が使われて、現在の仮定をしています。

例文2)では”talked”=過去形が使われているので、この例文を「過去」のことを話しています。

“as if”の後ろが仮定法なので、過去形”knew”が使われていますが、主節の動詞(“as if”の前の動詞)が時制を決めるので、この文は過去の仮定をしています。

主節の動詞(“as if”の前の動詞)との関係で時制が決まることに注意しましょう。

主節の動詞が文の時制を決めますので、as ifの後ろは、主節の動詞の時制に合わせることになります。

Practice(練習問題)

○ 日本語の意味に合うように、下線部に適切な英語を入れて文を完成させてください。

1.私たちはそのことについて、まるでまったく何も知らないかのように振る舞った。

We behaved as if(though) we          nothing about it at all.

答え

We behaved as if(though) we knew nothing about it at all.

2.彼はまるでそこに長い間ずっと住んでいたかのように話している。

He’s talking as if(though) he there for a long time.

答え

He’s talking as if(though) he had lived there for a long time.

「住んでいた」なので、時制をズラして過去完了にしください。

3.彼らは,まるで彼女が何か悪いことでもしたかのように,彼女について話した。

They talked about her as if(though) she          something wrong.

答え

They talked about her as if(though) she had done something wrong.

「〜した」なので、時制をズラして過去完了にしてください。

4.私はまるで生まれ変わったかのように感じた。[ reborn]

I felt as if(though) I         .

答え

I felt as if(though) I had been reborn.

○ 日本語の意味に合うように、( )内の語(句)を並べ替えてください。

彼はまるで経済学の専門家であるかのように話す。

 He talks ( as / an expert / he / economics / in / if / were ).

答え

He talks as if he were an expert in economics.

as if と as though の違い

二つは、参考書でもほとんど同じように使われると書いてありますが、ニュアンスが少し違います。

as if 仮定法 = 100%実際には起こりえない

as though 仮定法 = ほぼ起こりえないけど、可能性はある

”as if 仮定法”は、可能性0%ですが、

”as though 仮定法”は、可能性がほぼないけど、0%ではありません。

例文で確認しましょう。

as if / as though

He is talking as if he would die soon.

(彼はまるですぐに死んでしまうかのように話している)

裏の意味 → 実際に死ぬことは100%ない

He is talking as though he would die soon.

(彼はまるですぐに死んでしまうかのように話している)

裏の意味 → ないとは思うけど、本当に死んでしまうかもしれない。

どちらも同じ日本語訳になってしまいますが、

as ifだと話し手は100%起こりえないと思っています。

一方のas thoughだと、話し手は「もしかしたら本当にこれが最後かも…」と疑っている様子が伝わります。

混乱する場合は、as if = as thoughで覚えてください。

thoughは接続詞で「だけれども」という譲歩の意味で使われますね。

このニュアンスが残っており、”as though”でも「ありないけれども、本当かも」という疑いの気持ちが入っています。

まとめ

ここでは、”as if(though)”を使った仮定法について学んできました。

まとめると

形と意味

as if(though) S had p.p.  (まるで~したかのように)

as if(though) S 過去形  (まるで~するかのように)


注意点

主節の動詞(“as if”の前の動詞)との関係で時制が決まることに注意しましょう。

“S V as if S had p.p.”を使った場合は、主節の動詞よりも前の時制(時制のズレ)を表します。

今日もありがとうございました。

ABOUT ME
ゆん
現役英語教師をしながら英語に関する情報を書いています。今年で教員生活10年目になります。みなさんに役立つ情報をできる限り発信していきたいと思います。