ここでは”as if”を使った仮定法の表現を確認していきましょう。
まずは以下の例文を比較してみましょう。
1)He behaves as if he is a genius.(彼は天才かのように振る舞った)
2)He behaves as if he were a genius.(彼はまるで天才かのように振る舞った)
“as if”以下の文に注目してください。
1)の例文では”is”が使われており、直説法が使われています。
直説法は、「現実にありえる」ことなので、彼は実際に賢くて、天才な人として振る舞ったことになります。
2)の例文では”were”が使われて、仮定法として使われています。
仮定法は、「現実にはありえない」ことなので、彼は実際には賢くないが、天才かのように振る舞ったことになります。
両方ともas ifを使い「〜のように」を表す動詞ですが、
“is”は現実に反しているわけではないから仮定法を使う理由もなく、「as if 直説法」の形
“were”を使っている例文は仮定法を使い「現実にはありえない」という話し手の気持ちが込められています。
“as if 仮定法”を使うと、「まるで〜のように」という比喩を表す表現になるということを理解してください。
“as if”の後ろに仮定法を使うと
①「現実には起こりえない妄想です」という話し手の気持ちを表す。
② その気持ちを表す目印として、時制を1つ過去にズラします。
仮定法についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事をお読みください。
as if 仮定法の使い方
as if 仮定法の取れる形は以下の二つです。
as if S had p.p. (まるで~したかのように)
as if S 過去形 (まるで~するかのように)
いずれも時制を一つ前にズラして、仮定法として使います。
過去の比喩表現であれば➤ S V as if S had p.p 「まるで~したかのように」
現在の比喩表現であれば➤S V as if S 過去形 「まるで~するかのように」
as if S had p.p. (まるで~したかのように)
as if の後ろに”had p.p”が使われると、前の動詞との時制を1つズラすことができます。
例文で確認していきましょう。
1)You talk as if you had seen me before.
(まるで私を(過去に)見たかのように(今)話す)
※時制のズレ= talk(今) → had seen(過去)
2)You talked as if you had seen me before.
(まるで私を(さらに過去に)見たかのように(過去に)話した)
※時制のズレ= talked(過去) → had seen(大過去)
“as if”の前の動詞”talk”or”talked”に注目してください。
例文1)では”talk”=現在形が使われているので、この例文を「いま」のことを話しています。
“as if”の後ろが仮定法で、過去完了形”had seen”が使われているので、過去の仮定をしています。
主節のtalkは現在で、as if 過去完了で過去を表しているので、時制がズレていることがわかりますね。
例文2)では”talked”=過去形が使われているので、この例文を「過去」のことを話しています。
“as if”の後ろが仮定法なので、過去完了形”had seen”が使われているので、
「話した時よりさらに前」=「大過去」の仮定をしています。
主節の動詞(“as if”の前の動詞)が時制を決めるので、この文は大過去の仮定をしています。
主節の動詞(“as if”の前の動詞)との関係で時制が決まることに注意しましょう。
“as if S had p.p.”を使った場合は、主節の動詞よりも前の時制を表します。
主節の動詞が文の時制が決まりますので、”as if S had p.p”の後ろは、主節の動詞の時制とは「ズレ」があることに注意しましょう。
as if S 過去形 (まるで~するかのように)
1)You talk as if you knew everything.
(まるで全てを知るかのように話す)
2)You talkedas if you knew everything.
(まるで全てを知るかのように話した)
“as if”の前の動詞”talk”or”talked”に注目してください。
例文1)では”talk”=現在形が使われているので、この例文を「いま」のことを話しています。
“as if”の後ろが仮定法なので、過去形”knew”が使われて、現在の仮定をしています。
例文2)では”talked”=過去形が使われているので、この例文を「過去」のことを話しています。
“as if”の後ろが仮定法なので、過去形”knew”が使われていますが、主節の動詞(“as if”の前の動詞)が時制を決めるので、この文は過去の仮定をしています。
主節の動詞(“as if”の前の動詞)との関係で時制が決まることに注意しましょう。
主節の動詞が文の時制を決めますので、as ifの後ろは、主節の動詞の時制に合わせることになります。
Practice(練習問題)
○ 日本語の意味に合うように、下線部に適切な英語を入れて文を完成させてください。
1.私たちはそのことについて、まるでまったく何も知らないかのように振る舞った。
We behaved as if(though) we nothing about it at all.
2.彼はまるでそこに長い間ずっと住んでいたかのように話している。
He’s talking as if(though) he there for a long time.
3.彼らは,まるで彼女が何か悪いことでもしたかのように,彼女について話した。
They talked about her as if(though) she something wrong.
4.私はまるで生まれ変わったかのように感じた。[ reborn]
I felt as if(though) I .
○ 日本語の意味に合うように、( )内の語(句)を並べ替えてください。
彼はまるで経済学の専門家であるかのように話す。
He talks ( as / an expert / he / economics / in / if / were ).
as if と as though の違い
二つは、参考書でもほとんど同じように使われると書いてありますが、ニュアンスが少し違います。
as if 仮定法 = 100%実際には起こりえない
as though 仮定法 = ほぼ起こりえないけど、可能性はある
”as if 仮定法”は、可能性0%ですが、
”as though 仮定法”は、可能性がほぼないけど、0%ではありません。
例文で確認しましょう。
He is talking as if he would die soon.
(彼はまるですぐに死んでしまうかのように話している)
裏の意味 → 実際に死ぬことは100%ない
He is talking as though he would die soon.
(彼はまるですぐに死んでしまうかのように話している)
裏の意味 → ないとは思うけど、本当に死んでしまうかもしれない。
どちらも同じ日本語訳になってしまいますが、
as ifだと話し手は100%起こりえないと思っています。
一方のas thoughだと、話し手は「もしかしたら本当にこれが最後かも…」と疑っている様子が伝わります。
混乱する場合は、as if = as thoughで覚えてください。
まとめ
ここでは、”as if(though)”を使った仮定法について学んできました。
まとめると
形と意味
as if(though) S had p.p. (まるで~したかのように)
as if(though) S 過去形 (まるで~するかのように)
注意点
主節の動詞(“as if”の前の動詞)との関係で時制が決まることに注意しましょう。
“S V as if S had p.p.”を使った場合は、主節の動詞よりも前の時制(時制のズレ)を表します。
今日もありがとうございました。