ここでは”the 比較級”を使う表現をまとめていきます。
(all) the 比較級 for A [because S V…] :「 A[SV]なので、その分ますます~ 」
1) I like him the better for his wealth.
私は彼がお金持ちなので、その分彼が好きだ。
この表現の成り立ちを解説していきます。
“the”は限定する役割があります。
ここでは”for his health”の「理由」を限定して
「その分」と訳します。
つまり”the 比較級 for 〜”で「その理由の分、より〜だ」という意味を表します。
ここでは「彼がお金持ちな分だけより好きだ」という意味になります。
2) I like him all the better for his wealth.
私は彼がお金持ちなので、その分よりいっそう彼が好きだ。
”all”を”the 比較級”の前に置くと、強調になります。
「その分だけよりいっそう」というニュアンスで使われます。
none the 比較級 for A [because S V…] :「 A[SV]だからといって、少しも~ない 」
I feel none the happier for my wealth.
私はお金持ちだからといって、少しも幸せではない。
この表現の成り立ちを解説していきます。
“the”は限定する役割があります。
ここでは”for my health”の「理由」を限定して
「その分」と訳します。
ここでは”none”が使われていて、”the 比較級 for 〜”を否定し、
「お金持ちの分、より幸せというわけではない(none)」という意味を表します。
none the less for A :「 Aにもかかわらず、~だ 」
I love him none the less for his faults.
=I love him in spite of his faults.
私は彼の欠点にもかかわらず、彼が好きだ。
この表現の成り立ちを解説していきます。
“the less”は”for my faults”を限定して
「その欠点の分〜ない」を意味しています。
ここでは”none”が使われていて、”the less for 〜”を否定し、
「欠点の分、大好きでない(less)というわけではない(none)」という意味を表します。
=「欠点にも関わらず大好きだ」といういみになります。
none = 否定
the less = 否定
none(ー) × the less(ー) = にもかかわらず(+)
見た目からして難しそうな表現ですが、直訳して考えるとわかるときもありますので、
ぜひ表現の本質を理解していきましょう。
ちなみに、この表現から二つの副詞表現が生まれています。
“nonetheless”(副詞)「それにもかかわらず」
“nevertheless”(副詞)「それにもかかわらず」
これらの表現もよく使われるので、ここで覚えておきましょう。
the 比較級 of the two (名詞) :「2つ(2人)の中でより~ 」
Jun is the taller of the two.
彼は二人の中でより背が高い。
この例文では、二人を比較して、どちらが大きいかを表しています。
➠ 「2つの(2人)うちで~である方」という比較であれば、当然「一つ(一人)」に限定されるので、”the”がつきます。
2つ(2人)のうちで → the 比較級 of the two
“the”は限定するために使うということを覚えておきましょう。
Practice(練習問題)
1) The more she thought, the ( ) her thoughts became.
① deep ② deeper ③ deepest ④ deeply〈名城大〉
2) We respect Tom all the ( ) for his courage.
① last ② more ③ less ④ most〈流通科学大〉
3) Jane is ( ) of those two girls.
① taller ② tallest ③ the taller ④ the tallest〈広島女学院大〉
日本文を英文にしなさい。
1) 私は彼がいい人だからといって、少しも好きではない。
2) 私は彼の悪い性格にもかかわらず、大好きだ。
まとめ
ここで確認した表現をまとめていきましょう。
(all) the 比較級 for A [because S V…] :「 A[SV]なので、その分(よりいっそう)~ 」
※ allがつくと「よりいっそう」という意味で、強調されます。
none the 比較級 for A [because S V…] :「 A[SV]だからといって、少しも~ない 」
none the less for A :「 Aにもかかわらず、~だ 」
the 比較級 of the two (名詞) :「2つ(2人)の中でより~ 」
※ “the”は限定するために使われています。
なにを限定しているかは意識して、表現の本質を理解して覚えていきましょう。
今日もありがとうございました。